これでもくらえ、くそったれ

愛を語る場所だよ。

眼鏡のレンズの屈折率/球面・非球面、どれを買えばいいのか分からない問題

眼鏡屋でレンズを買う時、どのレンズを買えばいいのか分かり難くないですか?

「屈折率は高くして、両面非球面の方が歪みがなく、レンズも薄くなり、目が小さく見えることもありません」などのセールストークに乗せられて、気が付けばレンズ代がフレーム代を超えた、なんて経験のある人もいるのではないでしょうか。

これは仕方のない理由もあって、何故なら眼鏡屋はレンズで稼ぐので、高いレンズを買ってくれた方が儲かるのです。なのでレンズ選びは眼鏡屋のセールストークの腕の見せ所。(もし儲け度外視でレンズの提案をするお店があれば、それはお客さんの事を第一に考える一流店である可能性が高いので大切にした方がいいです)

けれど我々消費者からすると「眼鏡フレームだけでも高いのに、更にレンズで数万円かかるとかマジ何なの?」と思います。しかも「片面非球面と両面非球面の違い」や「屈折率1.6と1.67の違い」を買おうとしている眼鏡で試せない、受け取りの時に初めてレンズがどのくらいの薄さで、どのくらいの重さで、どんな見え方なのか知ることが出来る。これって、数万円の買い物に対してすごく不親切だなぁと思いませんか。

そして、その違いについて、体験談を書いている人はほぼいません。

そんな訳で消費者の立場から、-5.00D程度の中度近視レンズユーザーである私のレンズ購入経験から、結局どんなレンズがベストなのか書いてみようと思います。

 

 

結論! 

個人的経験による見解から結論を書くと、私と同じような中度近視(-4.00~-6.00D)の人であれば、屈折率1.67/片面非球面のレンズで十分です。それ以上の屈折率や両面非球面にするかは、価格差と自分のフトコロ事情との相談で決めるようにしていますが、1万円以上も値上がるのであれば、あまりメリットを感じません。またそれ以下の屈折率/球面レンズだと厚く歪みを強く感じました。

 

屈折率の差

屈折率はレンズの薄さに直結するので出来るだけ高い(薄い)モノを選びたくなるのが人心ですが、屈折率を上げる事によって生じるデメリットもあります。屈折率の性能と価格は、概ね下記のようなモノだと思います。 

  1.5 1.6 1.67 1.74
薄さ とても厚い 普通 薄型 超薄型
透明度 非常に高い 高い やや低い 低い
にじみ 非常に少ない 少ない ややにじむ にじむ
丈夫さ 非常に丈夫 丈夫 やや脆い 脆い
価格 安い 普通 高い 非常に高い

屈折率を高くすると薄くなりますが、透明度・にじみ易さ、耐久性、価格を犠牲になります。ではどの屈折率を選べばいいのでしょうか? という話ですが、先述の通り、個人的見解では1.67がベスト。家用の眼鏡などであれば1.6でも十分だと思います。度数が低い人(-1.00~-3.00D)は絶対に1.74もいらないです。1.5でも問題無いくらいだと思います。逆にそれ以上の強度近視(-6.00D以上)の人や乱視の人であれば1.67よりも高い屈折率でないと満足できないかもしれません。

この結論に至る理由として、レンズの厚さと見え方が決め手です。まず厚さですが、私の持っている眼鏡のレンズサイズで厚みを計算してみると、1.6と1.74を比較しても周辺厚が1ミリも差がありません。

例えば私の持ってるLunor a5 242を元に、下記サイトの計算機と使って周辺厚を計算すると下記のように出ます。レンズの厚さがシュミレーション出来るので、自分の持ってるフレームを元に試してみると参考になります。

www.lensya.com

屈折率・設計 中心厚 周辺厚
1.76非球面 1 4
1.74非球面 1 4.2
1.70非球面 1 4.2
1.67非球面 1.1 4.5
1.60非球面 1.1 4.9
1.60球面 1.1 5.2
1.50非球面 1.4 6.2
1.50球面 1.8 6.8

Lunor A5 232はレンズサイズが比較的大きい51なので、厚みもある程度差が出てきますが、それでも1.6非球面と1.74非球面で0.7ミリしか違いがありません。この0.7ミリのために1万円払うのか…というのは人の価値観によると思いますが、私には必要性があまり感じませんでした。勿論メーカーや担当者の設計によって違いがあるでしょうが、あっても0.数ミリの世界だと思います。

レンズサイズの大きいモデルですら0.数ミリの世界なので、レンズサイズの小さいモデルであれば、より差が無くなります。なので個人的にはレンズ幅の大きいスクエアやウェリントンは1.67、ボストンやラウンドは1.6で十分だと思っています。1.7以上の屈折率で利点が明確に出てくるのは強度近視/遠視/乱視の方の場合だと思います。

 

球面・片側非球面・両面非球面の差

レンズ選びで次に悩むのはこの部分だと思います。各々の性能は、概ね下記のようなモノだと思います。

  歪み 薄さ 価格
球面 ある 厚い 安い
片側非球面 少ない 薄い 高い
両側非球面 より少ない 極薄 高級

「片側/両側非球面の方が歪みが少ないので実際のモノと同じような見え方になる」「非球面の方がレンズが薄くなり、目が小さくなりにくい」等と言われれば、多くの人は「じゃあ非球面の方で・・・」となると思いますが、では具体的にどのくらいの差があるのか? 非球面の場合はレンズの厚さが何ミリなの? と聞くと、ほとんどの店員は「作ってみないと分からない」と答えます。(一流店は計算表やアプリを使ってしっかり比較してくれます)。

実際に比較表を作っているお店がありましたので下記URLをご参照ください。

www.meganehamaya.biz

このサイトを読めば、球面と非球面の疑問点がほぼ解消されると思います。
簡単に言うと(レンズサイズ/メーカー/度数にもよりますが)球面と非球面で重さも厚みも0.数グラム/ミリ程度しか変わらない。歪みに関してもレンズと目の位置が離れなければ強く歪むことは無い。という事が書かれています。厚みに関しては私の体験とほぼ一致しているので納得なのですが、ただ歪みに関してはちょっと落とし穴があるなと思っています。私は球面(47)/片側非球面(47)/両面非球面(51)と全ての眼鏡を持っているのですが(カッコ内はサイズ)、掛け比べるとフレーム間際の歪みに大きな差を感じました。球面レンズではちょっと歪みがストレスだなと思う時があります。しばらく掛けると脳補正がかかって慣れるのですが、それだけ負担がかかってるとも言えます。

あと流石に球面/非球面/両面非球面の眼鏡を1日で掛け変えると見え方の違いでストレスを感じるので、複数眼鏡を持つ人は2種類までに留めた方が良いなと思います。

そんな訳で私と同じ中度近視(-4.00~-6.00D)の方は球面ではちょっと歪みを感じるので、片側非球面を推奨したいです。両面非球面は価格に似合ったメリットを享受できない印象ですが、価格差と相談といったところでしょうか。弱度近視(-1.00~-3.00D)の方は球面でもさして問題ないと思います。両面非球面は強度近視(-6.00D以上)の方や乱視の方であれば価格に似合ったメリットを享受できると思います。

まとめ

以上がレンズに関する個人的見解と結論です。そんな訳なので私は1.67の片側非球面をまず基準にして、買うフレームのサイズや価格差と見比べてレンズを決めるようにしています。フレームサイズが小さい45以下であれば1.6でも十分な厚さだろうし、46以上であれば1.67は欲しい、50以上であれば価格差によって1.7以上にしたり、両面非球面を検討する、と言った具合です。でも、結局、完成しないとどんな見え方なのか分からないので、作り直しの融通が利くお店で買うのが何よりも大切です。