これでもくらえ、くそったれ

愛を語る場所だよ。

アプリゲーム版『ウマ娘 プリティーダービー』のサイレンススズカ育成シナリオが熱い

タイトルが全てなのだけれど、ウマ娘のアプリゲームが熱い。小学校高学年時にPS版ダービースタリオンにハマり、90年代後半~2000年代前半まで競馬を追いかけた私に直撃だった。特筆すべきはサイレンススズカのシナリオの熱さである。現実とリンクしているからだ。そして現実では叶わなかった夢を見せてくれるからだ。

まずは現実のサイレンススズカについて説明しよう。Wikiを読めば分かるけれど説明させてくれ。いいだろう? ここは私が愛を語る場所なんだ。(とは言え、にわか程度の知識しかないです)

サイレンススズカは1997~98年に活躍した競走馬である。驚異的ハイスピードで大逃げに打って出て、そのままスピードを落とすことなくゴールする。歴代最強と言われた逃げ切り馬である。サイレンススズカはまさに「誰もが夢描いた最強馬」を体現しているような馬だったと思う。若い時は実力を十二分に発揮出来なかったそうであるが、私がサイレンススズカを知った時は既にそのスタイルが確立していて、それはそれは夢中になった。最初から最後まで先頭を走るその姿。めちゃめちゃカッコ良かった。影響されてダビスタでは「サイレンス〇〇〇」という馬を量産した。もちろん作戦は逃げ切り一択。実況の「あざやかに逃げ切りました」という言葉を言わせたくて何度もやった。

そして1998年天皇賞(秋)ダビスタにハマっていた仲間たちと一緒に見た。サイレンススズカがあざやかに逃げ切る姿を見たくてワクワクしていた。レース序盤は予想通りの展開。いや、予想を超えた大逃げっぷりであった。あまりに後続を突き放すのでカメラがレース全体を映すのに苦戦するほどの大逃げっぷりであった。そのままゴールする姿を誰もが予想していたと思う。しかし思いもよらぬ姿がテレビに映った。レース途中、最終コーナー手前でサイレンススズカが棄権したのだ。何があったのか。テレビの実況も驚きを隠せない様子で、その衝撃的なシーンに拍車をかけていた。

後日、ニュースでサイレンススズカ予後不良安楽死が報じられた。脳裏に焼き付いた衝撃的なシーン。安楽死の文字。中学1年だった私にはどう受け止めればいいのか分からなかった。ただただ複雑な気持ちになり、ダビスタで逃げ切り馬を作ることもやめてしまった。

時を経て23年後、アプリゲーム版『ウマ娘 プリティーダービー』がリリースされた。このコンテンツについてはにわかをにわか、大にわかなので説明は概要だけにする。リリース予定日の延期発表から実装まで3年を要したファン待望のゲームである。

ウマ娘は競走馬を可愛い女の子に擬人化したコンテンツである。そしてモデルとなった競走馬の性格や脚質・得意分野が反映されている。癖やコース取りまで再現されているそうで、競馬ファンからの評価も高い。実際、レースシーンの迫力は文句なしで素晴らしいクオリティだと思う。

そのウマ娘の中にサイレンススズカがいる。しかも現実に沿ったストーリーを描くのだ。デビュー戦で快勝し、着実にキャリアを伸ばしたのち、一旦スランプに入る、そしてスランプを脱した際にサイレンススズカが「天皇賞(秋)で走りたい」と言うのだ。

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ここで往年のファン(私)は涙腺が大いに刺激される。

サイレンススズカ天皇賞(秋)に向かって進み始める。他のウマ娘たちとイチャイチャ交流しながら、切磋琢磨し主要レースで活躍を続ける。そして目標を達成するたびにトレーナー(私)との絆が深まる。いつしかサイレンススズカは私(トレーナー)にとって特別な存在となる。

天皇賞(秋)の前日、同室のスペシャルウィークから「天皇賞(秋)は棄権して!」と懇願される。実はサイレンススズカは足を痛めていることが発覚する。

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ここで私(往年のファン)は焦燥感に駆られる。

もちろん私(トレーナー)も止める。もうあんな悪夢を見たくない。私にとってサイレンススズカは特別な存在になっている。しかしサイレンススズカは止まらない。ゴールの景色を求めて走る。それがサイレンススズカの答えと決意だ。

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そうして迎えた天皇賞(秋)。そこにはあざやかに逃げ切るサイレンススズカの姿が。あの日見れると思っていた姿を23年越しに見れるのである。

ここで私は涙腺が崩壊した。

そんな訳でウマ娘。面白いです。システム的にダルい部分があるのは否めない(より強さを求める場合は何度も育成を繰り返す必要がある)のですが、ウマ娘ごとのシナリオを楽しむ分にはそこまで難易度が高いわけでもなく、ガチャにこだわる必要もなさそうです。実際、サイレンススズカはリセマラ無しで入手した内容だけで攻略出来ました。

何よりサイレンススズカのシナリオが出来ただけでもやって良かった。そう思える素晴らしいゲームです。これからもやっていこうと思います。