これでもくらえ、くそったれ

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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が良かった~という話をします。

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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が良かった~という話をします。ただ僕が、良かった~と思うところを書き散らすだけです。そろそろ公開も終わる時期なので良いかなと思い、ネタバレありで書き散らします。それでは息継ぎ少なめの早口で行きます。

監督が『映画 魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』の田中裕太氏と聞いた時点で「あ、勝ち確定だな」と思っていたし、前情報を極力 カットして(僕のツイッタープリキュアクラスタの方々は民度が高いので感想をほとんど漏らさなかった!)(さすが歴戦の猛者たちです!)期待値爆上げで鑑賞しました。あの名作『キュアモフルン』を作った人ですよ。しかもあの大傑作『GO!プリンセスプリキュア』のシリーズ構成をした人でもあって、さらに脚本も同じ田中仁氏でまさに最強タッグですよ。これで期待しない方が失礼ってなもんで、ですがあくまでも子供向けアニメなので、本当、あくまで主役は娘、娘が楽しめるのが一番なんだよ、という建前前提で鑑賞したところ、その期待値を軽々と飛び越えた作品でした。マジ。タナカリオン(田中裕太氏のツイッター名)。天才。。。

で、本作の何が素晴らしいか、と問われれば、素晴らしい部分が多すぎて一番を決める事が難しいくらい、素晴らしさに溢れているのですが、まぁ、なんと言っても、(多くの方が言及していますが)ラスト10分の素晴らしさ。まずはこれに尽きます。正直、映画の構成としては若干唐突な展開で面を喰らったところもあるのですが、それを補って余りある、そんな細かい事を突き抜けるとんでもないカタルシスがありました。爆発しました。プリキュア映画定番のミラクルライトで子供たちに応援させる演出も、昨年の『オールスターズメモリーズ』に勝るとも劣らない革新性。今までのライト演出はプリキュアのピンチを応援するシチュエーションでしたが、本作はユーマを救うためのライト。祈りの光。あの瞬間、劇場は世界で一番優しさに溢れた空間でした。無数のライトで溢れる劇場。劇中と同じく星空のようで、まさに、キラやば。。。

そして一つの作品としての完成度の高さも言及したい。これも『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』に勝るとも劣らない完成度。プリキュアを知らない人でも『邦キチ!映子さん』のゴジラの話で『ゴジラvsビオランテ』を「プリキュア映画で言うなら『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』と同じくらい面白い」と言わしめた事でお馴染みだと思うのですが、それと双璧を成す完成度と言えば、本作の素晴らしさを推して図れると思います。冒頭からプリキュア5人の登場。そしていきなり大技を大画面で魅せてくれて、プリキュアの醍醐味の派手さを堪能。その後、ひかるとララ以外の3人はフェードアウトしますが(これは賛否両論あるだろうけど、登場人物を絞ったことで丁寧な描写が可能になったので個人的には賛)、ひかるとララとユーマの3人の交流をじっくり描いた事により、作品としての完成度を高めていました。SF(すこしふしぎ)的なワクワク感、ジュブナイル小説的な出会いと別れの物語、ひかるとララの性格の対比が、言葉の通じないユーマとのコミュニケーションにうまく表現されていて素晴らしく、もちろんアクションシーンもTVシリーズでは見ない迫力で堪能(スターとバーンの攻防戦が激熱!)(あとバーンの「イグニッション…(パチン)」が死ぬほどカッコ良かった!)(カッコイイ敵が出てくる映画は名作なので本作はやはり名作!)、映画ならではのフォームチェンジのカッコ良さで興奮は急上昇(獅子座のミルキーが激カワ!)(立神さんと共演して欲しい。。。)、比較的シリアスなシーンが多い中、ゲストキャラのメリー・アンの身体を張ったギャグが良い清涼剤となっていて、あくまでも子供が楽しめるように作られた作品ながら、大人も一緒に楽しめるように丁寧に考えられていました。大ボスのいない、今までにない物語ですが、最後まで高まり続ける興奮と感動。そしてコミュニケーションと多様性を押しつけがましくないバランスで描いたメッセージ性。素晴らしい脚本と、成瀬瑛美さんのベストアクトとも言える「キラやば…」で涙腺は崩壊。あのシーンは今年見た映画の中でもベストでした。最高だよ。。。
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(『邦キチ!映子さん』より)

そして歌。人によっては本作最大の魅力になると思うくらい素晴らしいです(実際、妻は本作最大の魅力は歌だと語っておりました)。戦闘挿入歌の『星座のチカラ』もシーンを盛り上げる激熱な曲だったのですが、やはりメインテーマソングの『Twinkle Stars』の素晴らしさ。映画のテーマを120%表現した歌詞と、200%盛り上げる曲構成。静かな導入からどんどん盛り上がる展開と、複雑に重なり合いながら厚みを増す組曲のような構成が素晴らしい。1曲が7分弱と知った時は軽いオペラかな? と思った、それほど壮大な曲。先日、横浜の無料ライブで聴いた時は感動で思い出し泣きをするところだったのですが、娘も生歌を聴いてから毎日のように口ずさんでいます。これ生演奏&生歌をフルで聴ける機会ないの? 聴いたら絶対に鳥肌ものじゃん! と家族でアンテナを張る毎日。本当に大好き。。。

更に個人的に好きなところを羅列すると、まずユーマの声。エンドロールに声優名が無かったので電子音だけで感情を表現したのかとびっくりした。すごい。神業だろ。と思っていたら、先日、高木洋氏(『Twinkle Stars』の作曲者)の声を混ぜたことが発覚したのは、正直ちょっとがっかりしてしまったのだけれど、それでもユーマの声は最後までユーマの声だったのが良かった。ラスト、良い感じにひかるとララと心を通わせてメタモルフォーゼしたユーマが出てきた時は、喋り出したらどうしよう・・・と勝手にハラハラしたのですが、最後までユーマだった。ユーマのままで最後のひと声。素晴らしい。あと美術。素晴らしい物語に負けず劣らず背景が素晴らしい。息を飲む美しさ。美麗さ。ユーマと一緒に旅をしたバヌアツ・ヤスール火山、ナスカの地上絵、ウユニ塩湖、イグアスの滝、そしてクワンソウの花畑など壮大な背景が、ラストでユーマの夢として出てきた時は「最高の展開だな」と一人ガッツポーズをしました。物語が一つに集約する瞬間。これほどのカタルシスがあるだろうか。いや無い(反語)。そのカタルシスを最大限に盛り上げる背景。視聴者の心に刻んでやろうという製作者の強い意志が感じられる美術。そりゃひかるさんも「キラやば…」て言うわ。これ原画展とか開いてくれないだろうか。芸術作品の領域だったよ。あとは、みんなの私服姿が可愛かったよね。ユニのジャージなのかスカジャンなのか分からない上着姿が一番好きです。他にもひかるさんの達観したキャラクター性とか、ララの成長物語としての素晴らしさとか、ラストカットに出る副題『Wish upon a Song of Stars』がカッコいいとか、なんか、もう、全部良い。。。

そんな訳で良かったです。良さいっぱいで最高でした。正直なことを言うと娘の反応はちょっとイマイチでした。でもプルンスがミラクルライトを4本振っているシーンがお気に入りみたいです。お気に入りのシーンが1つでもあれば十分。横浜ライブのおかげで歌も気に入っているみたいです。何よりポップコーンを美味しそうに食べていたので大満足。僕は映画に大満足。Win-Winて奴です。次回作の春映画も見に行く約束をしました。今から次回作が楽しみです。