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0歳から酷い便秘に悩ませられた子供が3歳で解消するまでの記録

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現在4歳になる娘は、離乳食を始めた頃から便秘が酷く、少し前まで家族を悩ませてきました。現在でこそ克服し、自分でほぼ毎日ウンチが出来るようになりましたが、あの過酷な日々は忘れようもないくらい大変でした。その記録をここに残してみようと思います。何かの参考になればうれしいです。

前提として、ここに書かれている事は娘に施し、娘にとって効果があったかどうかを書くに留めます。全ての子供に効果がある保証ではありません。あくまでも我々に起こった事象です。参考程度に留めて置いてください。

結論

子供の便秘に悩んでここにたどり着いた方のために、早々と結論を書きますが、我が家の娘が克服した理由は【排便の痛みから逃げるより、毎日排便した方が痛くない】という事実を理解するまで月齢を重ねたからです。そこに至るまで試行錯誤の連続でしたが、結局、子供の成長が一番の解決の要因でした。

娘の便秘具合

離乳食を始めた頃から便秘気味になる子供は多いですが、娘もその頃から酷い便秘に悩まされました。3日~4日出ない⇒浣腸で無理矢理出す⇒3~4日出ない⇒浣腸で無理矢理出す、を繰り返すような日々で、便秘3日目は朝からお腹が張って気持ち悪いのか痛いのか、不機嫌かつ情緒不安定で理不尽になりました。ごはんも全く食べないので栄養不足になってしまうのでは? と心配だったし、「公園行きたい」というので外に連れ出してもスグに「お家帰りたい」と泣き始め、家で遊んでも集中出来ずに楽しめない状態で、最後はずっとテレビやDVDを観て現実逃避するような状態でした。「頑張ってウンチ出さないとお腹のシクシク治らないよ」と言っても泣いて排便を嫌がり、自力で出すのは酷い時で月に2~3回くらい、平均5~6回くらいだったと思います。また娘は地面に座ってウンチをするタイプだったので、ウンチが硬くなると出せなくなる⇒痛がって引っ込める⇒よりウンチが硬くなる⇒痛がって引っ込めるの繰り返しでした。よく言われる便秘の悪循環です。娘は0歳後期からこの悪循環にハマってしまい、便秘で発熱したり、1時間くらい泣き叫び続けることもありました。夜中に泣き止まないので救急外来で見て貰った事も2度3度ではありません。初めてディズニーランドに行った時、近くの安いホテルを押さえたのですが、ウンチが出なくて泣き止まず、泊まらずに昼間に急遽帰ることにしたのも、今となっては「そんな事もあったね」と笑って話せる思い出ですが、当時は深く気を落としていましたし、その日の予定を娘のウンチの溜まり具合で決めるくらい、家族の生活に影響していました。

一発解消の手立ては無かった

娘のように明確な原因(産まれつきの障害や病気等)の無い幼児期(0歳~4歳くらいまで)の便秘は、「排便の快感」を知ってもらう事が解消の到達点だと思います。このゴールに到達するために親は試行錯誤を繰り返すのですが、はっきり言って「こうすれば治るよ!」というような一発解消の手立てはないと思います。我が家にはありませんでした。食事に気を配り、排便のやり方を教え、おまるやトイレトレーニングを実施し、トイレを楽しめるよに工夫し、身体に合った薬を探し、上手にウンチが出た時は大げさに褒め称え、時に優しく、時に厳しく、時間をかけて子供と接する必要があります。長期戦を覚悟した方が良いと思います。

考えすぎもダメ、軽く見るのもダメ

便秘に悩んでこの記事を読んでいる方は、真面目に解消方法を探して、既に色々悩んでいる方も多いと思いますが、まず考えすぎるのをやめた方がいいです。考えすぎて、なかなか解消出来ない日々が続くと、いずれ子供に対して不満が募ってしまいます。食物繊維の多い食べ物が便秘に良いのはご存じだと思いますが、子供がそれを食べるとは限りませんし、他にも便秘に効果的だと言われる事をいろいろ試しても効果が無いと、いずれ子供への不満が募りがちになります。何で食べてくれないの。何で飲んでくれないの。何でトイレでしてくれないの。何で痛くなるまで我慢するの。何で自分で出そうとしないの。そういうイライラが募ると子供もストレスを抱えて便秘が酷くなります。これも一つの悪循環です。実際、うちの妻は軽いノイローゼ気味だった時期がありました。「いまは効果が無くても、いずれ」「今日はダメでもまた今度」くらい肩の力を抜いたほうがいいです。1週間に1~2日くらい便秘対策を気にせずに、子供と楽しく過ごす日を作った方が良いと思います。

だからと言って、軽く見るのもダメです。子供の便秘なんていずれ直るだろうと軽く考えてしまう人も多いと思います。僕も当初はそこまで深く考えていませんでした。しかし便秘は冗長化しやすく、対策を取らないとどんどん悪化してしまいます。幼児期の便秘を放っておくと何が怖いかというと、排便能力が育たないことです。腸に便が溜まっているのに脳が排便の指示を出さなくなってしまうのです。必ず医者と相談したうえで、改善に向けた行動をとる続けるのが大切だと思います。

まず医者へ相談

改めて書くまでも無いと思いますが、便秘は病気です。必ず医者に相談しましょう。便秘の原因は千差万別で、中には重大な疾患が原因の可能性もあります。「まだ軽い便秘状態だから」と遠慮や手間を考えて行かないのは間違いです。軽い便秘ですぐに治るならそれに越したことは無いですし、行かなかったことで冗長化してしまうかもしれません。必ず病院へ行きましょう。

「食事・水分」「規則正しい生活と運動」「身体に合った薬」

子供の便秘対策の基本は「食事・水分」「規則正しい生活と運動」「身体に合った薬」の3本柱です。このあたりは多くのサイトで記載があるので、一般的なことは省略して我が家で試した事を抜粋します。

●「食事と水分補給」
便秘対策の食事として食物繊維を意識的に取ることは常識ですが、子供が食べてくれるとは限りません。我が家でも食べて欲しい野菜を全然食べてくれなくてモヤモヤした日々を過ごしましたが、個人的には【食べなくてもあきらめず定期的に出し続ける】ことが大切だと思います。娘の場合はある日突然食べてくれる日がありましたし、逆に今まで食べたモノをある日突然食べてくれなくなった事もありました。根気強く「これを食べると痛くないウンチが出るようになるよ」と語りかけ続けることで、子供も食べてくれるようになるかもしれません。もちろん食べた時は大げさなくらい褒めてあげました。

娘が良く食べた食物繊維の豊富な食べ物として「ひじき」「切干大根」「干し芋」「ポップコーン」などがありました。特に「ポップコーン」はおやつに最適。豆を買って自作していました。塩加減が調節できるので子供にも安心して食べさせられます。探せば近所のスーパーでも売っている事が多いです。

国産 ポップコーン 500g 雑穀屋やま元

国産 ポップコーン 500g 雑穀屋やま元

 

水分補給も便秘には大切ですが、うちの子は麦茶を飲みたがらなかったので苦労しました。牛乳・野菜ジュース・オレンジジュースなど味の濃い物を好んでしまい、麦茶や水は頑なに飲まなかったのですが、『アンパンマン』を見ながらなら麦茶を飲んでくれたので、アンパンマンの時間は必ず麦茶とセットでした。外出中も意識的に少しずつでも良いから飲ませました。先述のオレンジジュースは腸の動きを活発化させるらしく、便秘に効くという事で、一日の量を決めて飲ませてました。最初は結構効き目があってオレンジジュース様々だったのですが、だんだん耐性が出来たのか効かなくなりました。また、牛乳は飲ませすぎると便が硬くなるそうなので、これも一日の量を決めてました。

●規則正しい生活と運動
言わずもがなですが、早寝早起きは基本です。我が家は8時までには寝て、6時~7時くらいに起きる生活を、今でも行ってます。運動に関しては、娘はあまり走り回るような子供では無かったので、積極的に公園に誘い、少しでも動くように誘導しました。ボール遊びや遊具遊びはそこまで夢中になるタイプでは無かったので、色々な遊びを考えて試しました。おもちゃを隠して宝探しゲームをしたり、手作りの尻尾をズボンに付けて追いかけっこしたり。また妻と一緒に水泳教室に通っていましたが、顔に水が付くのをめちゃめちゃ嫌がるのであまり楽しめてはいませんでした。

●身体に合った薬
病院から処方された薬は下記の通りです。
マルツエキス
甘い味なので幼児でも喜んで飲んでくれましたが、1歳後半まで常用していましたが、娘にはあまり効果がありませんでした。
ラキソベロン
排便を促す力があり効果は絶大。「最近調子良いから飲ませなくていいか」と思っていたら再発し、改善してからもしばらくは飲ませていました。4歳になった今は飲んでいませんが、この薬はかなり助けられました。少し強い薬で、飲ませすぎると下痢になるのが注意です。
・酸化マグネシウム
マルツエキスに効果が見られなかったので、この薬に変わりました。ウンチを柔らかくしてくれる薬です。あまり変な味はしないので、ゼリーと一緒に飲ませてました。3歳からは直接口に入れて飲んでます。克服した現在も飲み続けています。

便秘に効果があると思ってやったこと

①おまる 効果:×
娘の場合は地面に座ってウンチするのが原因の一つだったので、おまるを使ってウンチをするように誘導してみたのですが、全然だめでした。そもそも座りたがらないし、無理矢理座らせても直ぐに移動して地面に座るし、ウンチ以上に頑固な娘には全く効果無し。おまるに好きなキャラクターで装飾して誘導してもダメ。便意の無い時に座らせて褒めてみてもダメ。何をやっても全くダメでした。

②立ってウンチさせる 効果:△
頑固な娘は頑なに座ってウンチしようとするので、泣き叫んでいる時でも無理矢理立たせてウンチさせました。娘の力で我慢できないくらいウンチが迫っている時は効果的で、3割くらいはこれで排便出来ました。でも基本的に出したがらないので、抜本的な解決にはなりませんでした。

③ミルミル/ヨーグルト/ヤクルト等の乳酸菌食品 効果:△
絶大な効果があるわけではありませんが、腸内環境を整える意味で食べさせるようにしていました。特に浣腸の後は腸内環境がリセットされてしまうらしいので、注意する必要があります。しかし飲ませすぎるのも良くないようです。たくさん飲ませれば改善するようなモノでもありません。医者と相談したうえで、月齢にあった量を、継続的に食べさせるのが大切です。

④いっぱい褒めて成功体験を与える 効果:△(だと信じて)
子供に「ウンチをしたら親が褒めてくれる」という成功体験を与えることで、排便の気持ち良さを知ってもらうのが狙いです。あまり効果はありませんでした。それより便秘の痛さから逃げる方ばかりに気持ちが行っていました。同じように食物繊維の入った食べ物を食べてくれた時も大げさに褒め称えました。4歳になった今でもウンチをした時は大げさに喜んでます。少しでも効果があると信じて続けています。

⑤綿棒浣腸 効果:1歳くらいまで〇
0歳~1歳の時は麺棒浣腸が効果的だったのでよくやってましたが、ある程度月齢を重ねると効果が無くなり、病院から出された浣腸を使うようになりました。

⑥トイレポイントカード 効果△~〇(本人のやる気次第)
ある程度月齢を重ねたらトイレでウンチしてもらうためにトイレポイントカードを作りました。おしっこで1スタンプ、ウンチで3スタンプ。15スタンプでおもちゃを買いました。大きな効果はありませんでしたが、欲しいおもちゃが出来ると目標が決まり、頑張ってトイレでするようになりました。おもちゃを買って貰った後はしばらくやる気が無くなるので、継続的にやる気を出させる工夫が必要でした。

⑦食事・排便日記をつける 効果△(大人のやる気がUpする)
子供の毎日の食事と排便を記録し、医者に相談する時の資料や長期的な効果Upを狙ったのですが、便秘改善の効果があったかは微妙なところです。ですが自分たちの努力が可視化されるので、見返した時に「頑張ってるな」という満足感が得られるのが大きいです。特に便秘対策は著しい効果が中々出ないので「本当にこれでいいのだろうか」「意味があるのだろうか」と大人が疲弊してしまう事があります。そんな時に日記を見返すと「私、頑張ってるな」という気持ちになります。所詮自己満足ですが、資料的価値と心の充実が可能なので、僕は結構良い方法だと思います。最大の難点は記録を取るのが面倒くさいという点です。

「浣腸」をするとクセになるのか問題

便秘治療にとって一番厄介な問題だと思います。医者の中でも意見が割れるところで、ある医者は「バンバン使った方が良い」と言い、違う医者は「出来れば使わない方が良い」と言われました。

個人的な所感としては【子供が便秘で苦しむくらいなら継続的に使った方が良い】です。娘の場合は便秘3日目にはお腹が張って機嫌が悪くなり、4日目には痛がって泣き叫ぶような感じだったので、3日目には浣腸していました。その時、2日目の夜に「明日の夕方までにウンチが出なかったら浣腸だね」と宣言するようにしていました。娘は浣腸を泣き叫ぶくらい嫌がっていたので、この宣言をされると、娘なりに排便を頑張るようになりました。動機付けの一つになるし、浣腸でも排便した後はテンションも上がって元気いっぱいだったので、今となってはどんどん使った方が良かったなと思います。クセになるかどうかは分かりませんが、それを恐れて子供が苦しんでいるなら本末転倒だと思います。医者と相談のうえ、継続的に使うことを視野に入れるべきです。

セカンドオピニオンを検討する

中々改善に向かわない場合、違う医者に相談するのも良いと思います。違う角度から解消方法を考えてくれる場合もあります。しかし我が家の場合、セカンドオピニオンに訪れた医者が、子供のお腹もお尻も見ずに、2~3質問しただけで「食物繊維の多い食べ物と規則正しい生活に気を付けて下さい」と言うだけで、既にやってるし! それをやっても治らないからこっちは悩んでるのに! という対応だったために、あいつを見返してやる! 逆に便秘改善に向けて火がついたことがありました。便秘外来で評判の良い病院だったので期待していただけにショックでした。怒りのボールドタグ&文字サイズいじり具合に、我ら夫婦の腹立たしさが分かって頂けると思います。あと、慣れない道に迷い、進入禁止の道に入ってしまい青切符を切られたこともショックに拍車をかけました(これは100%僕が悪いです)。そこで「結局、便秘治療に一発解決方法は無いんだな」と気づかされました。

まとめ

トイレが上手く出来るようになった3歳の中ごろから、娘は自分でトイレでウンチをするようになりました。先述の通り、便秘克服の決め手は【娘の成長】という結論に至ります。「ウンチが出そうな時に出さないと、どんどんお腹とお尻が痛くなるよ」と言い続けて、ウンチ出来た時に「やった! すごい! 上手にウンチできたね!」と褒めまくる事で【排便の痛みから逃げるより、毎日排便した方が痛くない】という事を理解できる月齢まで成長した事が、克服の決め手です。しかし、そこに至るまでの試行錯誤は全て必要だったのだと思います。この試行錯誤が娘のウンチの土台をつくり、今の自然排便のリズムを作ったのだと信じています。

4歳になった今は先述の通り自分で排便できるようになり、便秘を克服しました。と思っていたら、先月「なんだかお腹が痛い」と言うので病院に行ったところ「宿便が溜まってる」と言われ数か月ぶりの浣腸を施され、まさかの展開に号泣の娘が浣腸と排便が終わって一言「まさか浣腸されるとは・・・」と精魂尽きた顔でつぶやく事態が起きました。すっかり治っていると思っていたので驚きました。そんな事があってからも、毎日自分でウンチが出来ていますが、いつ便秘が再発するか分かりません。便秘の治りにくさを侮ってはいけないと気が引き締まる思いがしました。

子供の便秘に悩んでいる人は、あまり深く考えず、だけれど諦めず、トライ&エラーを繰り返して、辛抱強く子供と便秘克服へ取り組んで下さい。我が家のように、幼児の場合は「成長を待つ」というのも改善策の一つです。

 

※参考資料(PDFがダウンロード表示されます)
日本小児栄養消化器肝臓学会が作成した「こどもの便秘」というパンフレットです。子供便秘改善に向けたガイドライン的な内容なのでご参考にどうぞ。

http://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf