これでもくらえ、くそったれ

愛を語る場所だよ。

2020年に見た映画ベスト5

2020年公開作品で劇場(またはネトフリ)で見た映画の中からベスト5を決めました。

見た映画は以下の通りです。

エクストリーム・ジョブ
フォードvsフェラーリ
ジョジョ・ラビット
9人の翻訳家 囚われたベストセラー
バッドボーイズ フォー・ライフ
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
1917命をかけた伝令
ミッドサマー
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey
ランボー ラスト・ブラッド
TENET テネット
シカゴ7裁判
ハーフ・オブ・イット
映画 プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な1日
以上14本。例年は30~40本程度なので仕方が無いとは言え少ないです。

今年はランキング形式ではなく上位5本だけ紹介する形にしました。

エクストリーム・ジョブ
「ヤクザの張込みに利用していたチキン屋が廃業するから退職金使って買い取って店を始めたら大繁盛しちゃった」というプロットだけで面白い。5分に1回笑いどころを作らないと死ぬ病気にかかってるとしか思えない脚本が秀逸なうえにアクションシーンも最高で大満足。ラストはスカッとするカタルシスに溢れており、ここまで楽しませて貰ってありがとう、という気持ちすら沸いてくる。笑って興奮出来る大傑作

フォードvsフェラーリ
渋いおじさん2人のアメリカン・ブロマンスが堪能できる。ルマンとかレースとかよく分からないけれどカッコいいおじさんたちがプライドと信念を燃やし魂でぶつかり合いながら友情を育む姿に心が滾る。2人の男の友情と信念を、2時間30分をまさにレースのようなスピード感で描く。2人が喧嘩する姿を庭の椅子に優雅に座りながら奥さんが観戦するシーンが最高。鑑賞時はあのシーンだけで2020年のベストだなと思ったほどだった。

ミッドサマー
ホラー映画のパラダイムシフトだと思う。明るい世界観なのに終始流れる不穏な空気と緊張感がすさまじい。恋人の自己中具合とモラハラ感が非常にリアルで不快感がすさまじい。動きのあるシーンは少ないのに目が離せなくなる映像美が凄まじい。ねちっこいほど丁寧に描く導入部分、トリップ状態を表現する秀逸な映像のエフェクト、そして終盤の怒涛の展開、そのすべてが素晴らしかった。ずっと「何を見させられているのだろう」と思えるほどのパワー。監督の正気を疑った。生理的嫌悪感が堪能できる革新的なホラー映画でした。

ランボー ラスト・ブラッド
小学生の時に夢中になったランボーがこの歳になっても映画館で見れたことに感謝。往年を踏襲したプロットも嬉しく、怒りを体現したようなスタローンの目力に酔いしれる。ラストアクションは(若干取っ散らかってるけれど)「これだよ。これこそ映画館で見る醍醐味だよ」と思わせる派手さで大満足。笑っちゃうくらいの大爆発。もはや災害だったね。最高。これが私の求める映画です

シカゴ7裁判
あまり話題になっていないがめちゃめちゃ面白かった。実話ベースの裁判映画。動きの少ない裁判モノは脚本と演技とテンポが重要だと思っているのですが、本作はそのすべてが素晴らしかった。印象深いのはやはり検事(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と弁護士(マーク・ライランス)。一見してクールで機械的にも思われる検事は、自分の職務を全うしつつ己の矜持とフェアな精神を忘れない人物像。タイトなスーツをびしっと着る立ち姿もカッコいい。ジョセフの顔立ちとキャラクター造形がマッチしていました。飄々として一見クセのある名物弁護士はマーク・ライランスが流石の存在感で好演。緩急ある演技で作品の緊張感を高めていました。登場人物が多いので序盤はついていくのに大変でしたが、中盤以降は作品にのめり込み目が離せなくなりました。

以上です。2021年は映画館で気兼ねなく映画が見れるようになることをただただ願うばかりです。

2019年に見た映画ベスト10

2019年に劇場で見た(ネトフリ映画限定映画も含む)映画の中からベスト10を決めました。

 

見た映画は以下の通りです。

クリード 炎の宿敵
ミスター・ガラス
劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉
アクアマン
アリータ:バトル・エンジェル
キャプテン・マーベル
映画 プリキュアラクルユニバース
バンブルビー
ハロウィン
ハンターキラー 潜航せよ
ファイナル・スコア
アベンジャーズ/エンドゲーム
名探偵ピカチュウ
プロメア
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
スノー・ロワイヤル
メン・イン・ブラック:インターナショナル
チャイルド・プレイ
ワイルド・スピードスーパーコンボ
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
ジョン・ウィック:パラベラム
ジョーカー
映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
ターミネーター:ニュー・フェイト
アイリッシュマン(ネットフリックス)
エンド・オブ・ステイツ
ドクター・スリープ
Playing with Fire
アンダーグラウンド(ネットフリックス)
以上の計30作品。

それでは10位から行きましょう。

10位 ハンターキラー 潜航せよ
今年一番お得な映画だったと思います。豪胆を具現化したような男ジェラルド・バトラーを主役に据え、さらにゲイリー・オールドマンの怒号が響く作品。これで面白くないはずがありません。快作でした。開始数分で潜水艦が爆発、何が何やら分からないところで「士官学校卒では無い現場叩き上げ」のジェラルド・バトラーが艦長に任命。現場を知る〝頼れる男〟感に否が応でも胸が躍ります。そこに政府要人であるゲイリー・オールドマンが「戦争じゃい!」と声を荒げます。〝ゲイリー・オールドマンが叫ぶ映画にハズレ無し〟とは僕が勝手に思っている格言なのですが、この時点で本作の勝利を確信しました。更に本作は潜水艦シーンに終始すること無く、地上での救出戦も展開。潜入、爆発、銃撃戦と、それだけで1本の映画が作れるような密度。何だか得した気分になりました。物語も「軍法会議モノの違反行為にも関わらず、(仮想)敵国の艦長を救う」「戦争回避のために敵国の大統領を救出する」という激熱な内容。さらにジェラルド・バトラーのみならず、ロシア艦長、ロシア大統領、ロシア大統領シークレットサービスアメリカ特殊部隊隊長、そしてNSA職員と主要人物が漢気を発揮、まさに漢気の見本市のような展開が最高でした。ラストも爽快で思わずガッツポーズ。ロシア人同士の会話が英語なので、僕は頭の中で架空戦記物として処理しました。実際、この内容で架空戦記物として描いてもめちゃめちゃ面白いと思います。 最高!

 

9位 映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
想い出映画枠その1。娘と観た映画は必然的に評価が上がりやすいのですが、本作はそれを抜きにしても面白く印象的な作品でした。本作については過去の記事をご参照ください。

ykymf.hatenablog.com

 

8位 映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
想い出映画枠その2。娘と観た映画は必然的に評価が上がりやすいのですが、本作はそれを抜きにしても美しく感動的な作品でした。本作については過去の記事をご参照ください。

ykymf.hatenablog.com

 

7位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
実際の事件を元に「もしも」な物語を展開しており、本作と同様なアプローチで日本も過去の胸糞悪い事件をモチーフにして作って欲しいと思える魅力があると思いました。同じカルト教団をモチーフにするならオウム真理教の弁護士一家事件とか。難しいと思いますが、過去の陰惨な事件を風化させないために、必要なのではないでしょうか。まぁタランティーノの場合、そんな真摯な姿勢で描いたのか不明ですが。でもタランティーノはこの映画を作る時に遺族に「シャロン・テートを生き返らせましょう」と説得したらしいです。中々熱いエピソード。本作は犯人たちを徹底的に悲惨に描いているのでスカっとした気持ちで見れたのではないでしょうか。また1人の男の再生の物語としても、2人の男の友情物語としても魅力的。でも本作最大の魅力は60年代後半のファッションに身を包むブラッド・ピット。超イカす。憧れのような気持になり、ちょっと真剣にファッションを真似ようかと思ったけど、似合わないのでやめます。過去のタランティーノ作品の中でもダレ場の少ない比較的スマートな作品だと感じられて、非常に楽しめました。

 

6位 ワイルド・スピードスーパーコンボ
何がワイルドスピードなのか分からないレベルの内容だけれど、よく考えたらメインコンテンツも『MEGA MAX』あたりから世界を股に駆ける犯罪集団と戦い始めて、元々は街のチンピラの物語だったのに…ワイルドスピードとはなんぞや? という内容なので、最早ワイルドスピードを定義づけするのは困難を極める状況。なので、みんなの中のあるワイルドスピードを大切にするのが一番だと思います。人の数だけワイルドスピードがあるんだよ。それでいいのだ。ジェイソン・ステイサム&ドゥエイン・ジョンソンという最高という言葉以外見つからない絵面。画面狭しと暴れまわる筋肉剃毛コンビ。それだけでも合掌レベルのありがたさなのに、本作は今年一番の家族愛を描いた作品だった。家族の大切さ、母親の偉大さ、兄弟の絆を、筋肉と硝煙と爆発と剃毛と肉弾戦で描いた素晴らしい作品だった。元々大味だったワイルドスピードシリーズの中でも群を抜いて大味な内容。ごはんの上にハンバーグとステーキとフライドチキンを乗せたような脂っこい内容に、若干飽食気味になる。でもやっぱり僕はこのワイルドな味付けが大好きなので、単発とは言わずに本作もシリーズ化して、本家と分家で互いに大味なアクションを切磋琢磨して、誰も見たことの無いとんでもない大味アクションを作り続けてくれたら、僕の生きる理由の一つが増えます。よろしくお願いします。

 

5位 クリード 炎の宿敵
予想外の傑作だった前作よりメッセージ性は劣るものの、涙なしには見れない、熱い、親子と夫婦の物語だった。クリードの物語というより、ドラゴ親子が主役のような内容なのも熱かった。2人とも色々なモノを背負いながらリングで激闘を繰り広げるも、最後は自分のために拳を交える。「What's your name?」「Creed!!」のシーンに心が滾り、決着間際の泣きじゃくるように撃ち合う姿はまるで子供の喧嘩のようで最高。自分のために息子を鍛え上げた父ドラゴは、最後、ようやく息子そのものに目を向け、ドラゴ親子のラストカットに涙が溢れた。世間的には駄作と評された『ロッキー4/炎の友情』があったからこそ産まれた作品と思うと、人生無駄な事なんて無いんだと思える。余談だけれどブリジット・ニールセンが出てきた時は、笑いと共に勝手にヒヤヒヤした。スタローンの元奥さんだからね。その人がドラゴの元奥さん役で出てきてるからね。最初てっきり似たような人なのかと思ったら本人だからね。ビックリした。みんな歳を取ったものだ。

 

4位 バンブルビー
バンブルビーの可愛さとカッコ良さがこれでもかと詰め込まれた素晴らしい作品。孤独を抱えた主人公との交流が丁寧に描かれていて、この2人の毎日を1クールドラマとして見たい! 2時間じゃ足りないよ! と思えるほど魅力的。物語は良い意味で王道のSFジュブナイルで、丁寧な脚本と構成が良かった。マイケル・ベイの破滅的な内容とは大きくかけ離れており、お同じシリーズでも監督が違うとこうも変わるモノなんだなぁと当たり前の事を気付かせてくれる。そしてロボット同士の格闘描写が最高。一つの到達点と言える。殴り合いだけでは無く、さばき、いなし、崩し、関節を取り、破壊する一連の動きは総合格闘技のようなカンフー映画のような素晴らしさに溢れており、最高にエキサイティングなアクション。特にラストバトルは一見では見尽くせないほどテクニカルな戦闘描写の連続でアドレナリンがドバドバ。個人的にはもっとアクションシーンが欲しかったですが、主人公とバンブルビーの交流がしっかり描くためには、本作のバランスが一番とも思えて、やっぱり交流&アクション増し増しの12話ドラマ版が見たいので早急に作って下さい。

 

3位 アクアマン
今、世界で最も信頼できる男ジェームズ・ワンの手腕が如何なく発揮された、彼の一つの到達点だと思うほど最高な作品でした。冒頭のマイケル・ベイ360度カメラが回りながら流れるように多角的に描かれるアクションシーンだけで映画代の元は取れたなと思えるほどカッコ良かった。その後もちょっと落ち着いたと思ったら爆発→アクションの連続で、ダレ場を作らない演出が続くのも高ポイント。あの繰り返される天丼的な爆発演出は、今後も色々な作品で取り入れて欲しいと思うほどエポックメイキングだと思いました。肉弾戦・銃撃戦・スーパーパワーを駆使た派手な応酬と中盤の時点でアクションモリモリてんこ盛り大満足状態だったのだけれど、そこから更に巨大化物が出てきた時は思わず「ありがとう」という感謝の言葉が出ました。しかし信頼できる男ジェームズ・ワンはそれだけでは終わらず、ラストはスターウォーズもかくやと言わんばかりの合戦シーンも展開され、まさにアクションの満漢全席。鑑賞後はアクションでお腹いっぱいでした。『スカイミッション』の時も思ったけれど、やっぱり信頼できる男です。ありがとうジェームズ・ワン

 

2位 ジョン・ウィック:パラベラム
本作に関しては感謝しかない。何故なら家族全員で見た最後の映画だからだ。シリーズ1作目を見た数ヶ月後に僕の親父は亡くなった。僕は幼少の頃に親父と一緒に毎週のように映画を見に行った。思い出深い映画の一つに『スピード』がある。キアヌ・リーブスは僕と親父を繋ぐ大好きな俳優の一人だ。そのキアヌ・リーブスがアクション映画がまた見れるとあって、僕は親父を誘った。母親と姉も一緒に来てくれた。家族そろって映画鑑賞なんて10年ぶりだった。しかも映画は傑作だった。親父も満足しているようだった。そのシリーズが、2作目も3作目も面白い。こんなに嬉しい事は無い。本当にありがとう。もうずっと、何作でも良いから作り続けて欲しい。その度に父親を思い出す切っ掛けとなる。死者を思い出す切っ掛けというのは意外と少ないもので、時間が経てば経つほど機会がなくなっていく。切っ掛けは大切だ。だから、その意味で、僕は本作のシリーズ化を熱望する。勿論作品としても文句なし。てっきり三部作最終章だと思っていたら、そんなことは無い! と言い切るかのような終わり方。ジョン・ウィックは永遠。フォーエバキアヌ・リーブスが動ける限り作り続けてライフワークと化して欲しいと、再三になるが、僕は熱望している。

 

1位 プロメア
「これが俺たちの面白いと思うものだ!」という情熱だけで作られたような作品。作中80%は何かしらアクション要素で構成され、動きのないシーンが5分でも続くと死ぬ病気侵された人たちが作ったんだと思います。つまり最高という事。冷静に考えたら意味不明な歌舞伎風の見得切りや、ご都合過ぎるスーツのメタモルフォーゼ、整合性をぶん投げた設定など粗を探したらキリが無いが、その粗が魅力に昇華されるほどの情熱と勢いに圧倒されるほか無く、開いた口が塞がらずに涎と何か変な脳汁がドバドバ出る。この映像に殴られたような感覚は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た以来だろうか。お前ら視聴者の事なんて考えて作ってねぇんだよ! 俺らが面白いと思う物を作っただけだ! とでも言うような宣戦布告とも取れるほど一方的な映画。激熱なキャラクターたちと激熱な設定と激熱な武器と激熱な物語と激熱な主人公たちが激熱な演者と激熱な制作陣によって作られた激熱な作品。好き嫌いがきっぱり別れるタイプの作品だけれど、僕は大好き。最高。TRIGGERの一つの到達点。大傑作

以上です。
2020年も素敵な映画に出会えることを楽しみにしています。

【ネタバレなし】『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』感想

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パステルカラーのJOKER」「アンパンマンだと思って観たら攻殻機動隊だった程の衝撃」等のひねた感想が先行して変なイメージが付いてしまった本作ですが、その実、キャラクターを大事にした、非常に丁寧で、シンプルな、しっかりとした子供向きな映画でした。そして子供向きだからこそ、大人にも突き刺さる内容でもありました。

すみっコの魅力と愛が詰まった作品
娘が好きなので少しだけ知っていましたが、そこまで愛着を感じていなかった僕でも、映画鑑賞後はすみっコたちのことが大好きになりました。すぐにでも自宅に迎え入れたい衝動に駆られ、娘とぬいぐるみを探したくらい(売って無かったので諦めた)。それほど、本作ではすみっコたちを魅力的に描いています。すみっコたちはみんな居場所を無くしたキャラクターたちです。キャラクター設定は公式を参照して頂きたいですが、例えば「ペンギン?」は自分をペンギンだと思っているのですが、緑色のペンギンがこの世にいないことが分かって自分は何なんだ? と自分探し中です。とんかつは食べ残された肉1パーセント脂身99パーセントの端っこの部分で、いつか食べられるのを夢見ている。タピオカも食べられず残されてしまった奴ら。主要キャラは何らかの理由により居場所を無くし、同じ居場所が無い者同士すみっコで寄り添って仲良く暮らしています。

先述の通り、本作を評して「パステルカラーのJOKER」という言葉がありますが、これが微妙に合っているのは、この設定です。『JOKER』は誰からも認められず、居場所が無い主人公が妄想と現実の中で己の存在を認めさせるために行動を起こし、カリスマ性を発揮していくような物語でした。JOKERの主人公は終始一人だったのですが(正確に言うと、認められたいと思った人に対してだけ認められず、やけになっていく物語。主人公に対して手を差し伸べた人もいたが、それは主人公が求める人間では無かった)、対してすみっコ達は、同じような境遇の仲間たちで手を取り合って過ごしています。これが「パステルカラーのJOKER」と言われるところだと思うのですが、他に共通点はありません。僕は見つけられませんでした。なのでこの言葉を鵜呑みにして鑑賞するのは大きなギャップがあるので注意が必要です。 

子供向けのキャラクターに暗い設定があるのは昔からある手法だし、すみっコを作ったサンエックスの他のキャラクターにも、例えば「こげぱん」や「リラックマ」にも同様の手法が見られます。制作者にどこまで考えがあるのか分かりませんが、ある程度深みのある設定にしておくと、受け手が想像を膨らましてキャラを掘り下げていき、自分だけのキャラを作り上げて、キャラクターへの共感を深めていくのだと思います。すみっコ達のように、居場所がなくなってしまった人たち、学校や職場への居心地を悪く感じている人たちが多くいる現代社会で、彼らに共感し、癒しを貰っている人たちがいるのは素晴らしい事だと思います。

あと、単純に見た目が可愛いです。本作では、その可愛らしさが遺憾なく発揮されています。

丁寧でシンプルな演出が魅力
本作は徹頭徹尾すみっコの魅力で描き続ける子供向けキャラクター映画です。それ以下でも以上でも無く、一切逸脱することが無く、キャラクターの魅力を描いた作品です。それ故に子供にも大人にも刺さる作品だと思いました。まず冒頭で、すみっコたちのキャラ紹介が流れます。すみっコを知らない人でも安心して鑑賞できる設計です。そしてすみっコたちは喋る事が無く、顔の上に文字で表現されるにとどまるのですが、これがキャラクターの声を各々が想像できるので、キャラクターをより魅力的なモノにしていると思いました。制作者がキャラクターを大事にしている証拠だと思います。

すみっコのセリフだけでは説明不足になってしまうので、ナレーションが入ります。ナレーターの井ノ原快彦さんの温かみのある声質が作品の世界観とマッチしており、より癒し度が高められていました。また、すみっコの感情や行動もナレーターが声で説明してくれるので、すみっコの浮かび上がる文字が咄嗟に読めない小さな子供でも安心して鑑賞する事が出来ます。そして、すみっコたちのほのぼのとしたやり取りと、絵本の世界へ飛ばされてしまったすみっコたちのゆるい活躍が、ゲストキャラの「ひよこ」を中心に展開します。

「ひよこ」は自分がどこから来たのかも分かりません。自分の事が分からないところに共感したペンギン?が自分探しを手伝います。絵本の世界を行き来して、ひよこの居場所を探す旅が始まりました・・・というのがあらすじで、ひよことすみっコたちが冒険を通して交流し、心を通わせる過程がシンプルに描かれているのが素晴らしかったです。シンプルであるがゆえに子供にも伝わりやすく、シンプルであるがゆえに大人はいろいろ想像して世界観に没入していきます。例えば物語の終盤、ひよこの正体が判明するシーンは、すみっコとひよこが会話するのではなく、ナレーターが全部説明してくれます。大人向けの映画なら1~10まで話す説明台詞は個人的には萎える展開ですが、本作では魅力に感じました。説明をナレーターに任せた事によって、すみっコとひよこの交流をじっくり描く事が出来るからです。その丁寧でシンプルな演出がすみっコたちの世界観と非常にマッチしていて、最後は非常に感動させられました。

「声を出して笑っても良い」という劇場の空気が素晴らしい
本作の素晴らしさは劇場全体の空気感にもあります。本作は子供向けの作品なので、劇場では子供たちがたくさん笑います。そして周りが笑っていると、他の子供も笑います。笑っても大丈夫なんだという空気は劇場全体を包んで、作品をより魅力的なモノにしていました。うちの娘はいろいろ気にする性分なので、周りが大笑いしたり、突っ込みを入れたりする声を聴いて安心して笑っているようでした。劇場全体に優しい癒しの空気が流れているようで、非常に居心地が良く、映画を堪能出来ました。

エンドロールの余韻が最高
最後のエンドロールが最高です。原田知世さんの優しい歌声に乗せて流れるエンドロールの背景は、今年見た映画の中のベストシーンと言っても過言ではないです。すみっコたちの優しさが溢れる名エンドロールでした。エンドロールが素晴らしい映画は例外なく傑作なので(例:ジャッキー映画)、本作はやはり傑作です。

子供も大人も楽しめる優しさに溢れた映画
そんな訳で『映画 すみっコぐらし』は子供だけでなく大人も、老若男女にオススメ出来る優しい映画です。僕も泣いたし娘も泣きました。作品を通して、共感して、子供も泣けるというのは素晴らしい事だと思います。それだけの力を持った傑作でした。是非多くの人に観て欲しいと思える、優しい映画です。

『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が良かった~という話をします。

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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が良かった~という話をします。ただ僕が、良かった~と思うところを書き散らすだけです。そろそろ公開も終わる時期なので良いかなと思い、ネタバレありで書き散らします。それでは息継ぎ少なめの早口で行きます。

監督が『映画 魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』の田中裕太氏と聞いた時点で「あ、勝ち確定だな」と思っていたし、前情報を極力 カットして(僕のツイッタープリキュアクラスタの方々は民度が高いので感想をほとんど漏らさなかった!)(さすが歴戦の猛者たちです!)期待値爆上げで鑑賞しました。あの名作『キュアモフルン』を作った人ですよ。しかもあの大傑作『GO!プリンセスプリキュア』のシリーズ構成をした人でもあって、さらに脚本も同じ田中仁氏でまさに最強タッグですよ。これで期待しない方が失礼ってなもんで、ですがあくまでも子供向けアニメなので、本当、あくまで主役は娘、娘が楽しめるのが一番なんだよ、という建前前提で鑑賞したところ、その期待値を軽々と飛び越えた作品でした。マジ。タナカリオン(田中裕太氏のツイッター名)。天才。。。

で、本作の何が素晴らしいか、と問われれば、素晴らしい部分が多すぎて一番を決める事が難しいくらい、素晴らしさに溢れているのですが、まぁ、なんと言っても、(多くの方が言及していますが)ラスト10分の素晴らしさ。まずはこれに尽きます。正直、映画の構成としては若干唐突な展開で面を喰らったところもあるのですが、それを補って余りある、そんな細かい事を突き抜けるとんでもないカタルシスがありました。爆発しました。プリキュア映画定番のミラクルライトで子供たちに応援させる演出も、昨年の『オールスターズメモリーズ』に勝るとも劣らない革新性。今までのライト演出はプリキュアのピンチを応援するシチュエーションでしたが、本作はユーマを救うためのライト。祈りの光。あの瞬間、劇場は世界で一番優しさに溢れた空間でした。無数のライトで溢れる劇場。劇中と同じく星空のようで、まさに、キラやば。。。

そして一つの作品としての完成度の高さも言及したい。これも『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』に勝るとも劣らない完成度。プリキュアを知らない人でも『邦キチ!映子さん』のゴジラの話で『ゴジラvsビオランテ』を「プリキュア映画で言うなら『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』と同じくらい面白い」と言わしめた事でお馴染みだと思うのですが、それと双璧を成す完成度と言えば、本作の素晴らしさを推して図れると思います。冒頭からプリキュア5人の登場。そしていきなり大技を大画面で魅せてくれて、プリキュアの醍醐味の派手さを堪能。その後、ひかるとララ以外の3人はフェードアウトしますが(これは賛否両論あるだろうけど、登場人物を絞ったことで丁寧な描写が可能になったので個人的には賛)、ひかるとララとユーマの3人の交流をじっくり描いた事により、作品としての完成度を高めていました。SF(すこしふしぎ)的なワクワク感、ジュブナイル小説的な出会いと別れの物語、ひかるとララの性格の対比が、言葉の通じないユーマとのコミュニケーションにうまく表現されていて素晴らしく、もちろんアクションシーンもTVシリーズでは見ない迫力で堪能(スターとバーンの攻防戦が激熱!)(あとバーンの「イグニッション…(パチン)」が死ぬほどカッコ良かった!)(カッコイイ敵が出てくる映画は名作なので本作はやはり名作!)、映画ならではのフォームチェンジのカッコ良さで興奮は急上昇(獅子座のミルキーが激カワ!)(立神さんと共演して欲しい。。。)、比較的シリアスなシーンが多い中、ゲストキャラのメリー・アンの身体を張ったギャグが良い清涼剤となっていて、あくまでも子供が楽しめるように作られた作品ながら、大人も一緒に楽しめるように丁寧に考えられていました。大ボスのいない、今までにない物語ですが、最後まで高まり続ける興奮と感動。そしてコミュニケーションと多様性を押しつけがましくないバランスで描いたメッセージ性。素晴らしい脚本と、成瀬瑛美さんのベストアクトとも言える「キラやば…」で涙腺は崩壊。あのシーンは今年見た映画の中でもベストでした。最高だよ。。。
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(『邦キチ!映子さん』より)

そして歌。人によっては本作最大の魅力になると思うくらい素晴らしいです(実際、妻は本作最大の魅力は歌だと語っておりました)。戦闘挿入歌の『星座のチカラ』もシーンを盛り上げる激熱な曲だったのですが、やはりメインテーマソングの『Twinkle Stars』の素晴らしさ。映画のテーマを120%表現した歌詞と、200%盛り上げる曲構成。静かな導入からどんどん盛り上がる展開と、複雑に重なり合いながら厚みを増す組曲のような構成が素晴らしい。1曲が7分弱と知った時は軽いオペラかな? と思った、それほど壮大な曲。先日、横浜の無料ライブで聴いた時は感動で思い出し泣きをするところだったのですが、娘も生歌を聴いてから毎日のように口ずさんでいます。これ生演奏&生歌をフルで聴ける機会ないの? 聴いたら絶対に鳥肌ものじゃん! と家族でアンテナを張る毎日。本当に大好き。。。

更に個人的に好きなところを羅列すると、まずユーマの声。エンドロールに声優名が無かったので電子音だけで感情を表現したのかとびっくりした。すごい。神業だろ。と思っていたら、先日、高木洋氏(『Twinkle Stars』の作曲者)の声を混ぜたことが発覚したのは、正直ちょっとがっかりしてしまったのだけれど、それでもユーマの声は最後までユーマの声だったのが良かった。ラスト、良い感じにひかるとララと心を通わせてメタモルフォーゼしたユーマが出てきた時は、喋り出したらどうしよう・・・と勝手にハラハラしたのですが、最後までユーマだった。ユーマのままで最後のひと声。素晴らしい。あと美術。素晴らしい物語に負けず劣らず背景が素晴らしい。息を飲む美しさ。美麗さ。ユーマと一緒に旅をしたバヌアツ・ヤスール火山、ナスカの地上絵、ウユニ塩湖、イグアスの滝、そしてクワンソウの花畑など壮大な背景が、ラストでユーマの夢として出てきた時は「最高の展開だな」と一人ガッツポーズをしました。物語が一つに集約する瞬間。これほどのカタルシスがあるだろうか。いや無い(反語)。そのカタルシスを最大限に盛り上げる背景。視聴者の心に刻んでやろうという製作者の強い意志が感じられる美術。そりゃひかるさんも「キラやば…」て言うわ。これ原画展とか開いてくれないだろうか。芸術作品の領域だったよ。あとは、みんなの私服姿が可愛かったよね。ユニのジャージなのかスカジャンなのか分からない上着姿が一番好きです。他にもひかるさんの達観したキャラクター性とか、ララの成長物語としての素晴らしさとか、ラストカットに出る副題『Wish upon a Song of Stars』がカッコいいとか、なんか、もう、全部良い。。。

そんな訳で良かったです。良さいっぱいで最高でした。正直なことを言うと娘の反応はちょっとイマイチでした。でもプルンスがミラクルライトを4本振っているシーンがお気に入りみたいです。お気に入りのシーンが1つでもあれば十分。横浜ライブのおかげで歌も気に入っているみたいです。何よりポップコーンを美味しそうに食べていたので大満足。僕は映画に大満足。Win-Winて奴です。次回作の春映画も見に行く約束をしました。今から次回作が楽しみです。

プリキュアの映画を全作品観たので父と娘の感想をまとめました。

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僕と4歳の娘は昨年の夏頃から『HUGっと!プリキュア』を観始め、今年の『スター☆トゥインクルプリキュア』を1話から全話テレビの前で星座正座視聴をする程度にハマっているプリキュア初心者なのですが、必然として親子共々プリキュアの過去作にも興味が湧きました。昨年公開された大傑作『映画 HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が切っ掛けの一つだったのは言わずもがなですが、しかし過去作のテレビシリーズを見るのは中々ハードルが高いので、とりあえず映画版を観始めることにしました。そして気が付いたら全部観てました。それくらいプリキュアの映画はプリキュア初心者にうってつけでした。初心者向けな理由として、まず映画版なだけあって作画が良く、アクションや大技の迫力が大きな見どころであり、60分程度で完結し、キャラクターの魅力が集約されていることが挙げられます。是非プリキュア初心者の皆様は映画版で過去作に触れてみて欲しいと思います。

そんな訳でプリキュア映画全26作品+短編1作品の僕と娘(4歳)の感想を書きました。前提条件としてTVシリーズはHugプリと姫プリを半分くらい、スタプリをリアルタイム視聴している程度の知識です。あと女児向けコンテンツに大人が不満を言うべきではないと思っているので、良い事しか書きません。ただ、実際、映画は良い事だらけでした。

それではいきましょう。
※アホほど長いです。

映画 ふたりはプリキュア マックスハート

映画ふたりはプリキュア・マックスハート (通常版) [DVD]

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記念すべき1作目です。ゲスト声優が野沢雅子さんなので悟空の顔がチラつきます。一方的に利用する関係から始まったプリキュア達と「希望の園」の戦士達ですが、健気に何度でも立ち上がるプリキュアの姿に心を打たれ、利害関係を超えた友情で結ばれる姿が丁寧に描かれているのが最高でした。熱いじゃん。戦闘中の軽口を叩くところからバシッと決めるシークエンスも大好物。プリキュアの大技の迫力も笑っちゃうくらいあって、野沢雅子さんの声に影響され「今観てるのドラゴンボールだっけ?」と錯覚しました。
娘:忘れた!(視聴直後に感想を聞き忘れ、1か月後くらいに聞いた際の回答)
 ※鑑賞当時は娘も最後まで楽しんで観てました。

映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち

またもやゲスト声優に野沢雅子さんで悟空の顔がチラつきます。前作より良い意味でシンプルな構成で、友情に焦点を当てた話なのが良かったです。プリキュア2人の関係を丁寧に描写されていたのでTVシリーズ未見でもキャラクター造形がしっかり把握でき、その丁寧な描写がラストのカタルシスを高めていると思います。有名なプリキュアVSプリキュアのシーンも熱い。熱いというか、エグい。格闘シーンが打撃だけではなく関節技多様(しかも丁寧な描写)なのが最高で、評判を呼ぶのも頷けました。劇場鑑賞時の子供たちと大友(大きな友達)の反応が気になる。シャイニールミナスのキャラクター性が発揮されているのも良かったです。すげぇ達観してた。とても中学1年生には思えない。これからはルミナスさんって呼ぼうと思います
娘:ブラックがカッコ良かった!
 ※しばらくブラック推しでした。

映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!

上映時間がプリキュア映画史上一番短いながらも印象的な作品。構成が前作『MH2』とほぼ同じ。咲のキャラが自分勝手すぎて若干鼻につくなぁと思っていたら、どうやらテレビシリーズとはキャラの描かれ方が違うらしいですね。戦闘シーンは脳みそが追い付かないくらいカット割りが細かすぎて最高ジェイソン・ボーンシリーズの影響かな? なんて邪推したけれど、本作が『ボーン・アルティメイタム』の前年なので、ポール・グリーングラスが本作を参考にした可能性が高いね。コンビネーションシーンも熱い。敵役サーロインの声(速水奨)が良い声すぎてもっと聞いていたかったです。
娘:最後のダンスが面白かった!
 ※敵がちょっと怖かったみたいです。

映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!

今作から応援システムが登場。何も知らない状態で観たのでマスコット的なゲストキャラクターがお笑い芸人ザ・たっちの「幽体離脱~」をやりだした時は思わず「まじかよ」とつぶやいたし、ミラクルライトでの応援演出が「ちょっと、ちょっとちょっと」だったのも思わず「まじかよ」とつぶやいてしまったのですが、娘も「まじかよ」と一緒に笑いながら呟いたので幸せな気持ちになりました。鏡の力でコピーされたダークプリキュア5という激熱の敵、そして各プリキュアの個性を活かした熱い戦闘シーン、更に主人公の強さと純真さに心を動かされ、最終的には敵と主人公が心を通わせる勝利が約束された展開に胸と目頭が熱くなりました。あとミルクさんがカッコイイです。内容の割に尺が足りない。もっと時間をかけて描いて欲しいくらい面白ったです。
娘:ちょっとwwwちょっとちょっとwwwまじかよwww
 ※その日1日ブームでした。

映画 Yes!プリキュア5GoGo!お菓子の国のハッピーバースディ♪

ビックリしたプリキュアであのシーン(観た人なら分かると思います)が描かれた事にビックリしました。えーっ! こんな直接的な描写許されるの!? そりゃ伏線あったから「まさか」と思ったけれど、どうせ暗喩的な描写で済ますもんだと思っていたから、すげぇ直球描写でびっくりしたよ。当時の大友(大きな友達)たちはどんな反応をしたのか気になりました。ヌルヌル動く戦闘描写がカッコイイとか、お菓子でテンションが上がるメンバーの可愛さとか、ショコラのキャラデザの素晴らしさとか、色々見どころはありますが、あのシーンの驚きと、ラストバトルがいつの間にかドリームとムシバーンのタイマンになっている事の驚き(さっきまでメンバー居たのに急に消えたの何で?)(あとムシバーンも急に半裸になったのなんで?)に戸惑いが隠せませんでしたが、まぁ「5」で一番好きなキュアアクアさんが美麗だったので満足です
娘:お菓子が美味しそうだった! お菓子食べたい!
 ※その後ドーナツを買いに行きました。

ちょ〜短編プリキュアオールスターズGoGoドリームライブ

『Yes!プリキュア5GoGo!お菓子の国のハッピーバースディー♪』同時上映の5分映画。初のオールスターズ作品です。今や60人(2019年7月現在)のプリキュアも当時は11人。5分の中にギュギュっとオールスターの魅力を詰め込んでおり、オールスターズ映画のひな形が今作で出来上がっておりました。戦闘描写は短いながらシリーズ屈指のスピード感で大興奮。特に『スプラッシュスター』2人がめちゃめちゃカッコ良かったです。もっと見たい! と思わせる魅力で溢れており、今作が切っ掛けで『プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』が作られたのも納得の作品でした。
娘:ブルームとイーグレットがカッコ良かった!
 ※僕が3回くらい繰り返して見たから。

映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!

初の長編オールスターズ映画という事でプリキュアが一同を介するシーンは否が応でも高揚しました。物語も無理矢理な感じは薄く、ちょっと強引なセリフはあるものの、脚本の工夫が見て取れ、オールスターズ作品の割にはスムーズな進行で良かったです。特に各シリーズ所縁の場所に他のシリーズの主人公たちが訪れる構成、そして終盤にその話で絆を深めるシーンが素晴らしいなと思いました。ただ、お祭り感が薄く、割と暗いシーンが多い為に幼児が楽しめるかは微妙な所で、娘の反応も薄かったです。僕(大人)としては敵キャラのデザインと声がツボで、シルバーサーファー(または『ターミネーター2』のT-1000)を思わせる造形が最高にクールだなと思いました。相変わらずド派手なアクションが見れたのも満足だし、ミルキーローズさんのパンチ力に度肝を抜かされました。あれを敵にぶち噛ませばワンパンで終わるんじゃないかな。エンドロールのみんな楽しそうな一枚絵は額に入れて飾りたいくらいの良さに溢れてました。もうずっと見ていたい。
娘:ちょっと怖かったけどミルキーローズのパンチがカッコ良かった!
 ※僕が3回くらい繰り返し見たから。

映画 フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?

まさか『トイストーリー3』の1年前に同様のテーマをプリキュアが既にやっていたことに驚く。教育的な内容なのは嬉しいけれど、遊ばなくなったおもちゃを捨てる立場の大人としては「なんてものを作ってくれたんだよ!」と『トイストーリー3』の時と、これまた同様に思いました。捨てないとおもちゃで溢れるんだよ・・・。許してくれ・・・。つまりディズニーが本作を参考にした可能性は高いです。ピーチがカンフーアクションを体得している衝撃と、その決着がバキみたいで最高でした。思わず「やったぜ」と声に出たね。さすが兄貴と言われるだけのことはある。キュアパッションが強すぎて、あの技を他の敵でも駆使すればあんなに苦戦しなかったんじゃ・・・。あとブッキーが可愛い。ブッキーの可愛さを知れた事が本作最大の収穫でした。最後はもちろんハッピーエンドで満足です。
娘:おもちゃ捨てないで!
 ※攻防戦は今日も続く。

映画 プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!

歴代プリキュアが一同を介し、交流を深めるシーンは何度見てもイイ。この交流シーンだけで60分アニメを作ってくれないかしら。もしくは1クールでシリーズ化を希望します。それくらいずっと見ていたい魅力に溢れていました。過去映画作の登場人物がちょいちょい出てくるのが嬉しい。格闘シーンも相変わらずの迫力で大満足。みんなにしっかり見せ場のある構成なのも良かったです。EDのダンスアニメーションは最高の一言に尽きました。ただハートキャッチ勢のキャラデザがアニメ版と少し違うような気がするのは気のせいだろうか・・・。
娘:最後のダンスが可愛かった!
 ※一緒に踊りました。

映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?

傑作。一つの作品として恐ろしいほどまとまっており完成度の高さに驚きました。さらにTVシリーズ未見でも十分楽しめる内容にまとまっています。ボーイミーツガール的な内容でありながらお姉ショタ要素も含み、色々な楽しみ方が出来る。オリヴィエの成長物語としても過不足なく、ハートキャッチ勢1人1人の魅力もしっかり描けている。アクションシーンも最高の一言に尽きる(特にマリンインパクト⇒よっしゃー!のシークエンスがお気に入り)。物語も激熱でありながら感動的。わずか71分の中に全てが過不足なく盛り込まれた素晴らしい作品でした。監督は後に『京騒戯画』『血界戦線』を手掛ける松本理恵氏。当時、若干25歳での起用だというから驚く他無い。
娘:みんな可愛かった!
 ※本作から娘のハートキャッチブームが始まりました。

映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花

映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花 特装版 [DVD]

映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花 特装版 [DVD]

 

最高。僕がオールスターズ作品に求めている内容がすべて詰まっていました。最初の10分ほどで説明が終わった後はずっとアクションシーン。アクションモリモリてんこ盛りの僕歓喜仕様。映画過去作の悪役が再び立ちはだかる激熱の展開(でも設定上仕方が無いとは言えサラマンダーさんは「お前あんだけ感動的な最期だったのに」と微妙な気持ちになりました)。シリーズの垣根を超えたプリキュア達の交流シーンが多いのが嬉しい。物語も若干シリアスなピンク(主人公)&ブルー(相棒)勢と、コミカルなイエロー勢で子供も大人も楽しめる親切設計。更にプリキュアの絆を描いた内容に胸が熱くなる。すべてのプリキュアに見せ場のあるアクションシーンに加え、すべてのプリキュアのキャラクターが活かされた行動と台詞で最高。あと、スタッフに熱烈なファンがいるのでは? と思えるほどレモネードさんが可愛かったです。そして満腹になるくらいの大技の連発で大満足。伏線回収された丁寧な脚本と、先輩プリキュア達が新人(スイート)を励まし、背中を押し、スイート2人が先輩プリキュア達を立ち上がらせる展開が素晴らしい。ラストは分かっていても目頭が熱くなりました。オールスターズ映画の一つの到達点だと思います
娘:妖精がいっぱい出てくるところとスゴロクが楽しかった!
 ※スゴロクに興味を抱き、手作りスゴロクを作り遊びました。

映画 スイートプリキュア♪ とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪

映画スイートプリキュア♪とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪ 通常版 【DVD】

映画スイートプリキュア♪とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪ 通常版 【DVD】

 

アコとメフィストの親子の物語を軸に、プリキュア達の活躍がバランス良く描かれているのが良かったです。TVシリーズ未見でも、開始10分で登場人物の立ち位置がほぼ把握できる親切設計でありながら、説明台詞がほぼ無いのも素晴らしく、物語にスッと入っていける脚本が秀逸でした。格闘シーンも力が入っており、苦戦しながらも信念で立ち向かう姿に胸が熱くなる。メフィストの「父親は難しい、悪の親分の方がずっと楽だ」という台詞と、アフロディテとの夫婦愛を感じさせるシーンが印象的。あとボコボコにやられたメロディに対して「まだ立てますね」と言い切るクレッシェンドトーンさんマジ鬼だと思いました。
娘:猫ちゃんが可愛かった!
 ※プリキュアより猫派

映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち

映画プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち 通常版 【DVD】

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新たなオールスターズ作品として新機軸を見事に描いた。あゆみとフーちゃんの物語を軸にスマイル、スイート、ハートキャッチ、フレッシュら歴代プリキュアの活躍がこれでもかと詰め込まれており、一つの作品として上手くまとまっていました。どんな女の子でも強く思えばプリキュアになれるというメッセージ性が素晴らしく、あゆみとフーちゃんの物語はプリキュア抜きにしても目頭が熱くなる。ただ、どんな方法でもイイから、もっとハッピーエンドにして欲しかった気もしました。「大型客船を街中にぶっ放す」という言葉にすると意味不明な展開が最高。『ワイルドスピード』でも考え付かない想像を絶する展開と、それを難なくいなす初代。台詞はないが存在感は抜群でした
娘:フーちゃんが可愛かった! キュアエコーが可愛かった! 私もプリキュアになりたい!
 ※なれるよ!

映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!

映画スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!  通常版 【DVD】

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日常から非日常へ巻き込まれるドキドキ感。異世界に飛ばされるワクワク感が上手く描かれており、主人公5人の個性も相まって見ていて楽しくなれる作品。アクションシーンも5人の個性が発揮されており、5人全員が見どころがあり、魅力的に描かれているのが素晴らしい。物語も「主人公の過去」と「悲しみを抱えた敵役」がリンクする胸打つ展開が良かったです。牛魔王さんがカッコいいのも捨て置けない。最後はもちろんみんなスマイルのウルトラハッピーなのが良かったです。
娘:私もシンデレラになりたい!
 ※なれるよ!

映画 プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち

妖精にスポット当てた、今までにない世界観と構成が新鮮。素直になれないグレルと泣き虫なエンエンと、悪役である影の物語が熱く感動的で、特にラストの光と影を巧みに使った演出が素晴らしかったです。オールスター映画にありがちだった先輩プリキュアが新人プリキュアを引っ張る的な物語じゃないのも工夫が見られ、先輩も新人も同じプリキュアとして諦めずに戦い続ける姿勢で楽しませてくれました。歴代プリキュアの活躍をしっかり描きつつ、ドキドキプリキュアの魅力もしっかり描かれていて、オールスター映画として過不足ない内容。勢ぞろいからの良い意味で大味な展開と戦闘シーンが最高で、「私たちの倒し方は教科書には載っていません!」「私たちは無敵なんだから!」言い切るスマイル勢のカッコよさに痺れました。「間違ったことをしてもやり直せる」と言うとメッセージ性も素晴らしく、キュアパッションキュアビートが言うと深みが違うね。ポスターのエリカの遊び心もイイ。良いことずくめの作品でした。
娘:マスクにバッテン書いて!
 ※妖精のバッテンマスクが気に入ったそうです

映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス

映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス 通常版 [DVD]
 

最高。こんなん泣くわ。まず一つの作品として完成度がとても高いです。序盤で主人公のキャラクター性と背景が描かれ、異変が起き、敵との接見、異世界(過去)へ囚われしまいますが、主人公の背景を知っているから感情移入します。「こんなのずるいよ」と泣きながら、敵の罠だと知りながらその世界に身を委ねてしまう主人公。こっちも「こんなのずるいよ」と思いながら既に泣きそうでした。そして違和感を感じながら脱出を試みる仲間たちと物語が交錯するストーリーもお見事。その中でやはり興奮したのはキュアエース。いきなり登場したと思ったら敵の攻撃を受け止め「この程度の攻撃では私の心はしびれませんわ!」「お見せしましょう…本当の衝撃をいうモノを!」なんて言い切るものだから、か、か、カッコイイ―! ゾクゾクする台詞! 僕もこんなセリフ言ってみたい! と大興奮しました。主人公が立ち直るシーンもめちゃめちゃ激熱。みんな復活した後は「よっしゃ! よっしゃ! これで敵をボコボコにするんだろう!」とワクワクしてしていたら敵の正体がなんとまぁ(正直読めてたけれど)だった。そしたらプリキュアらしからぬガッツリした流血シーンが出てきてビックリ。今まで観て来た過去作もこんなにはっきりエグイ流血シーンは無かったものだから本当にびっくりした。それでも攻撃を受け止めて敵を受け入れるキュアハートが最高に天使でした。そんで存在をすっかり忘れていたミラクルライトで復活し、真の悪役が登場へ乗り込むCGとデジタル画を混在したアクションシーンが激熱。効果的に織り交ぜたアクションシーンで興奮は最高潮へ。この一連のシークエンスだけ5回くらい繰り返し見ました(キュアエースのシーンは7回くらい見ました)。そんで、いろいろあって真の敵を倒してやったぜ! と思っていたら最後の最後にまた泣き所が出てきて不意打ちを食らいました。最高。めちゃめちゃ面白かったです。挿入歌も神曲でオススメ!
娘:泣きそうになっちゃった!
 ※まさか娘も感動するとは。プリキュアの情操教育のたまものかな。

映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち

映画プリキュアオールスターズNew Stage3 永遠のともだち 通常版 [DVD]

映画プリキュアオールスターズNew Stage3 永遠のともだち 通常版 [DVD]

 

NewStage3部作の完結編。過去2作のキャラクターも登場して、3部作の集大成として見事に描かれていました。妖精親子の姿は子供を持った今となれば母親への感情移入してしまい、僕もついつい娘に対して過保護気味になっているので、自分でも気づかないうちに子供の成長の機会を奪っているのかも? と己を省みる切っ掛けになりました。けれど、なんと言っても本作の見どころはプリキュアたちの連携攻撃。これに尽きる。シリーズの垣根を超えた連携攻撃がこれでもかと描かれているのが素晴らしい。戦闘シーンのテクニカルっぷりはシリーズ最高と思えるほど観ていて大興奮。空中戦のスプラッシュスター、可愛いレモネード&ピース、シャイニールミナス&ミント&ロゼッタの防壁連携、ダダンダンみたいなメカアクムに対して大人げないほどのパワープレイを決め込む初代2人、バイキンUFOみたいな乗り物で特攻するアクムに対し「アデュー」ととどめを刺すエースさん、そしてミルキーローズさんの地面をえぐるメテオストライクパンチ(勝手に命名)が久しぶりに観れたのも大興奮。三部作を締めくくるエコーさん再登場で感動と興奮は最高潮へ。大満足の71分。一瞬しか出てこないけれど、パン屋に並ぶキントレスキーさん達の存在感が目に焼き付いてしまった。
娘:ミルキーローズのパンチがカッコ良かった!
 ※僕が3回くらい繰り返し見たから。

映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国バレリーナ

ハピネスチャージ勢のポップな魅力とシリアスかつ重めなテーマのギャップが魅力。ゲストキャラの境遇に涙が禁じ得ず、そのキャラを慕う他のキャラクターたちとの絆の物語が激熱。良くないことだと知りながら、他に選択肢の無いゲストキャラに対し、自分の無力さを痛感しつつ、それでも諦めないキュアラブリーがカッコ良かったです。悪役然とした悪役に対して「怒った」と啖呵を切るハピプリ勢が最高。ド派手な戦闘シーンもハピプリならではの空中戦で良かった。激熱な挿入歌のタイミングもベストオブベストでめちゃめちゃ興奮しました。あと、ハピプリの世界観とふなっしーの親和性に気付いた制作陣は天才だと思いました。全然違和感ない。収まるべきところに収まっている。
娘:ふなっしーが面白かった!
 ※え? そこなの!?

映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪

歴代プリキュアミュージックステーション風に歌とダンスを披露するお話。プリキュアたちが楽しそうに歌って踊ってお話する姿が見れるので娘と楽しんで鑑賞出来ました。TVシリーズの映像も流れるので、ファン歴が長い人ほど感慨深そうな内容。ハピネスチャージのラブリービームを初めて見たのですが、度肝を抜かされた。まさか目からビームを打つとは。サイクロプスかな? 今作の悪役は今までにないくらい緩く、作品全体の空気も穏やか。プリキュア達が終始楽しそうなのが素晴らしい。
娘:たくさん歌と踊りが見れて面白かった! ラブリービームwww
 ※僕がラブリービームを3回くらい観たから。

映画 Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!

3本立てだったので3日に分けて鑑賞した事により、娘も集中して楽しめたようです。東映のCG技術に感動しました。1本目『キュアフローラといたずらかがみ』はただただ可愛い内容で良かった。2本目のメイン作『パンプキン王国のたからもの』はスカーレット様がカッコ良かったので満足。いち早く違和感に気づくスカーレット様ちょーカッコイイ。そして個人的に1番好きな3本目『プリキュアとレフィのワンダーナイト!』は東映CG技術の素晴らしさ、アクション演出のカッコ良さ、ボロボロになりながらもGOプリ達の諦めない心の美しさが如何なく発揮されていて最高でした。特にアクション演出はアトラクション的な楽しさ、華麗な体術によるカッコ良さ、CGと随所に描かれる漫画チックな演出が最高にエキサイティング。このクオリティで1本長編を作って欲しいと思えるほど楽しめました。
娘:
キュアフローラといたずらかがみ』⇒可愛かった!
『パンプキン王国のたからもの』⇒プリン食べたい!
プリキュアとレフィのワンダーナイト!』⇒かぼちゃちょっと怖かった!
 ※プリン買いに行きました。

映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!

ミュージカル風の作品で、歌が好きな娘も楽しんで鑑賞出来ました。全てのプリキュアの活躍の描写が無いのは残念でしたが、TVシリーズ未見の身としては、いろいろなプリキュアのキャラクター性が見れて楽しかったです。ピーチ、ブロッサム、メロディ、ハッピー4人がチームを組むシーンが特にお気に入り。ドタバタ感が良い感じで、このチームで単独の話を作って欲しいくらい好き。キュアエコーの登場も嬉しい。ラストはみんなで歌って踊って大団円。ミュージカル路線の集大成とも言える作品でした。
娘:お歌がいっぱいあって楽しかった! ラブリービームがまた見れて良かったね!
 ※良かったです

映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!

傑作。60分ほどの尺の中にギュギュっとモフルンの可愛さを詰め込んだ最高に可愛い作品。モフルン可愛い。ちょー可愛い。そんな可愛いモフルンがプリキュアになった途端キレッキレのアクションとド派手な技を連発するギャップが最高。「モフルンはちょっと怒ってるモフ」の台詞から繰り出される激熱の戦闘シーンはプリキュア戦闘名場面集の上位に名を連ねるのは間違いない。何度でも観ていたくなる脳に良いアクション。終盤の怒涛のフォームチェンジと大技の連発は、何が何やら分からなくて脳が追い付かないけれど、アドレナリン大放出で最高プリキュア映画史に残る最高にエキサイティングなシーンでした。物語も丁寧な伏線が貼られていて楽しめ、モフルンとみらいの絆が随所に感じられる演出が良かったです。はーちゃんの天真爛漫さと、変身後のフェリーチェのフィジカルアクション連発っぷりのギャップも最高。まほプリ未見でもこれだけ楽しめるのだからすごい。オススメ!
娘:モフルン可愛い! 他の熊と踊って歌うところと滑り台滑るところが好き!
 ※熊たちとの交流シーンがお気に入りで何回も観て笑ってました。

映画 プリキュアドリームスターズ!

今作から3世代のプリキュアが活躍するクロスオーバー作品になり、登場人物を絞る事で物語とキャラクター同士の交流をしっかり描くことに成功、更にプリキュア映画名物のミラクルライトでの応援も随所に展開される工夫を凝らしており、子供を楽しませたいというサービス精神が溢れた演出が最高でした。物語も素晴らしく、ゲストキャラクターの成長をプリキュアたちとの交流を交えて描くことで最後まで目が離せない内容。TVシリーズではあまり物理攻撃をしない(らしい)プリアラ勢も本作では迫力あるアクションを魅せてくれ、また和を基調とした世界観とCGへ転換する流れが素晴らしいの一言に尽きる。などと尤もらしい事を並べましたが、本作最大の見どころはゆいちゃんに壁ドンするあきらさん。最高。あと五月雨が強すぎて最高。敵ながら、もうちょっと活躍を見たかったです。オールスターズ映画の新機軸を打ち出すことに成功した良作。監督は後に大傑作『映画 HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』を作り上げる宮本浩史氏。個人的に最も次回作が見たい監督の一人
娘:ホイップちゃんとワンちゃんが可愛かった! またプリキュアホテル泊まりたい!
 ※プリキュアホテル(池の平ホテル)に泊まった時に観たので、良い思い出になりました。

映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!

TVシリーズ未見なので何となくな感覚ですが、プリアラのポップでキュートな世界観(空気感)を上手く取り込みつつ、監督/土田豊の個性がこれでもか発揮された作品なのではないでしょうか。作品全体に流れる良い意味でシリアス感ゼロな空気と、隙あらばネタを挟み込んでくる姿勢が素晴らしいです。この空気感とネタにハマれるかが作品の評価の分かれ目だと思いますが、個人的にはハマりました。特に変身後の動物を変えられてしまうシークエンスはアイディア満載で非常に面白ったです。弱みを強みに替える展開もメッセージ性があって素晴らしい。あとパンダのゆかりさんが超キュート。キャラクターの魅力をこれでもかと詰め込んだ良作。プリキュア映画史上、最も楽しい作品だと感じました
娘:お菓子のお家が美味しそうだった! トレビアーンwww
 ※娘と真似して楽しかったです。

映画プリキュアスーパースターズ!

 Hugプリ主人公の過去と、約束をテーマに教育的な内容。ドタバタ的な描写が楽しめる前半、他のプリキュアたちとの交流が楽しめる中盤、熱いバトルが繰り広げられる終盤、とバランスの良い構成。特に終盤の炎の中で繰り広げられる攻防戦はビジュアル面で言えば過去最高のカッコ良さで、キュアエールさんのアッパーカットもえげつない程の迫力で最高したが、その後にくり出されるプリアラの必殺技の世界観とのギャップが凄過ぎて脳が混乱しました。でも一番好きなのは先輩と呼ばれて喜ぶはーちゃん。はーちゃんの「はー」の声に癒しの効果があることは定説ですが、本作でも如何なく発揮。エンドレスで聞いて脳を融かしたいです。
娘:Hugプリのみんなが久しぶりに見れて面白かった! メロンパン食べたい!
 ※メロンパン買いに行きました。

映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリー

僕の中で最高傑作です。
別記事で熱っぽく語っています。

ykymf.hatenablog.com

ykymf.hatenablog.com

 娘:モフルンが追いかけてくるところとハリーが引っ張られるところが面白かった!
 ※DVDで何度も見返して笑ってます。

映画プリキュアラクルユニバース

〝応援〟を全面に押し出す事で子供たちを飽きさせない工夫が良かったです。隙あらば百合ってるあきゆかコンビスクールカースト図みたいなビジュアルの必殺技、ニョキニョキ連なるように増殖する歴代プリキュア、金の身体で長時間一定の動きでもがき苦しむ主人公などシュールな描写が目白押しなのも素敵でした。
娘:いっぱい応援するのが楽しかった!
 ※一緒に映画館で応援出来て良い思い出になりました。

映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて

ykymf.hatenablog.com

 娘:プルンスがミラクルライトを4本持って応援しているところが面白かった!

 

以上です。

僕たちと同じようなプリキュア初心者にオススメしたいのは
単発映画
ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』
ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス』
魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』
オールスターズ映画
『映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』
プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち』
プリキュアドリームスターズ!』
このあたりはプリキュアを知らなくても楽しめる内容だと思います。実際初心者の僕も楽しめました。

 

これはあくまでも僕(と娘)の個人的な感想になりますので、異論反論あってしかるべきだと思います。人それぞれに好きな作品があり、人それぞれに好きなプリキュアがいる。それだけ長く愛される作品であるプリキュアというコンテンツを、娘と共有出来たこと、一緒になって楽しめたことがとても充実した幸せな時間でした。ありがとうプリキュア。これからも楽しくエキサイティングで幸せな作品を作り続けて欲しいと思います。

大切なことはみんな『ダイ・ハード』から教わった。

ツイッターを眺めていたら、平成が終わるということで「#私の平成ベスト映画」というハッシュタグを見つけまして、ひとりの映画好きとして改めてブログに書き記しておくことにしますが、僕の平成ベスト映画にして、オールタイムベストにして、すべての条件化でのベスト・オブ・ベスト映画は『ダイ・ハード』です。

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日本公開は1989年2月4日なので平成の映画とさせて頂きたい。

オールタイムベストというのは、その人の映画観、さらに言うなれば人生観をも反映させた作品と言っても過言ではないと思います。僕にとって、そんな大切な作品が『ダイ・ハード』です。5年ほど前に死ぬほど悩んで決めました。これが僕の映画観の指標となっているのは間違いのない事実であり、今後も変わることはないと思っています。

しかしオールタイムベストを『ダイ・ハード』決めるのは非常に勇気のいることでした。『ダイ・ハード』は最高の映画であると自信を持って言えるし、もちろんどんな映画よりも大好きです。しかし胸を張って「オールタイムベストはダイ・ハードです」と言える程『ダイ・ハード』を本当に愛しているのか? という疑念が、僕の中でシコリの様に現れて、なかなか決心が付きませんでした。僕にとって…『ダイ・ハード』って…なんだろう…という思案の答えを見つけるのは、それはまさに自分探しの旅と同じでした。

僕が『ダイ・ハード』と出逢ったのがいつだったか、それはもう記憶に無い程遠い昔のことです。幼少のみぎりより、父親の横でアクション映画を見て育った僕は、自然とアクション映画に魅了されていきました。昔はストーリーなんて分からないから、ただ銃撃戦や殴り合い、爆発シーンを見て興奮して喜んでいました。そしてカッコいい俳優を見ては憧れ、その真似をして遊ぶ少年でした。『T2』のアーノルド・シュワルズネッガーのショットガンのリロードを傘で真似したり、『コブラ』のシルベスタ・スタローンのようにマッチを咥えたかったけど怖かったので爪楊枝を咥えたり、そんなアクション大好き少年だったので、きっと小学生低学年の頃に、テレビ放映されたダイ・ハードに出逢っていたと思います。

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マッチを咥えたマリオン・コブレッティさん。男なら真似したくなるカッコよさ。

ダイ・ハード』は面白かった。初めて見た時から、すぐに大好きな映画になりました。当時はストーリーなんて興味が無かったので、会話のシーンは飛ばして、アクションシーンだけを見ていました。メガネ悪党(トニー)との殴り合い、長髪の悪役(カール)との死闘、追い詰められて換気ダクトを逃げるシーン、プラスティック爆弾を放り投げて爆風に巻き込まれて爆笑するシーン、そして消化ホースを身体に巻いて屋上から飛び降りるシーン⇒そして窓ガラスをぶち破るシーンという一連のシークエンス、そのすべてが最高に僕を興奮させました。子供の僕は何回もアクションシーンだけを見返しては、ダイ・ハードごっこ1人でしていました(『ダイ・ハード』を見ている子供なんて周りに1人も居なかったので)。もちろん学校をテロリストが占拠して…式の妄想も小学生の時からしていました。ジョン・マクレーンは僕の憧れのヒーローでした。

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テーブルの上からジャンプするダイ・ハードごっこをして怒られていました。あの時、僕はマクレーンだった。

ダイ・ハード』の魅力にすっかり魅せられた僕は、親父に「ダイ・ハードって、何て言う意味?」と聞いたこともありました。純粋な子供の疑問に、親父は「ダイは大、つまり大きいとか凄いとかって意味だな。んで、ハードは辛いって意味だ。だからダイ・ハードめっちゃ辛いって意味だよ。主人公はめちゃめちゃ辛そうだろう?」とスーパー適当な事を言った。純心な僕は信じた。本当の意味を知るのは、もっとずっと後の話になります。今でも何故親父があんな適当なことを言ったのかは謎です。

中学生の時、ようやくストーリーも見るようになりました。『ダイ・ハード』はストーリーも面白かった。無線での悪役とのやり取りは映画の緊張感を高め、パウエル(外の相棒警官)との会話は安心感を与えました。マクレーン刑事が今までの映画に無いヒーロー像だと知ったのもこの頃でした。それまでのアクションヒーローは『ダーティー・ハリー』のクリント・イーストウッドや、『コマンドー』のシュワルズネッガーや、『ランボー』のスタローンのような浮世離れした人物像でした。ところがマクレーンは泣き言も小言も弱音も、ユーモアを交えながら吐く今までにないヒーロー像で、「もう嫌だ!誰に頼まれたって、高いビルには登らない!」「どうして俺がこんな目に!」などと叫ぶ人間味溢れるキャラクターは、それまでにない新鮮なものでした。

そして僕が最も魅力的に思ったのは“笑顔”でした。マクレーン以前のヒーロー像はほとんど笑うことはありませんでした。笑ったとしてもニヒルに笑うだけだったり、感情的になって笑う事はありませんでした。しかしマクレーンは爆笑します。悪党にプラスティック爆弾を喰らわす後に爆笑するし、ラストシーンで悪党と対峙する時でも爆笑します。そんなヒーロー他にいません。その違いは、僕にとって、とても新鮮でした。ブルース・ウィリスの人懐っこい笑い顔は、マクレーンのキャラクターにピッタリでした。(その意味で『ハドソン・ホーク』はウィリスの魅力を活かせている作品なので、僕は大好きです。)

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大笑いのマクレーンさん

ホワイトカラーな悪役(ハンス・グルーバー)も今までに無いヒール像でした。マクレーンがタンクトップ姿なのに対し、ハンスはブランドスーツに身を包み、知的な立ち振る舞いをします。劇中に一切衣服を乱さないハンス、対するジョン・マクレーンはボロボロになりながら、血みどろになりながら、愛する妻を救うために戦う。その対比が両キャラクターをより魅力的なものにしていました。

高校の3年間はほとんど映画を見ていなかったのですが、その反動からなのか、大学入学と共に僕の映画熱は再発し、『ダイ・ハード』を見返しました。もう何十回と見返した映画です。台詞もほとんど覚えています。しかし、この時になってようやく僕は、その緻密な脚本に気づきました。

ダイ・ハード』は伏線だらけの映画です。例えば、冒頭でマクレーンが「高いところが嫌いなんだ」と飛行機でぼやきますが、これは屋上から飛び降りるシーンの小言で回収されます。また、これまた冒頭で「裸足で指を丸めると高所恐怖症が治りますよ」とアドバイスを貰うシーンがありますが、裸足で駆けずり回る設定で回収されます。他にも、妻であるホリー・マクレーンは会社で旧姓を名乗っていて、それが映画内ではいろんな場面で活かされていました。ホリーが会社から貰ったロレックスが、ラストシーンに活かされるのも痺れます。全てのシーンにはきちんと意味があり、無駄なシーンは無い濃密な映画なのです。

伏線回収は以下のHPに詳しいです。
参考:ダイ・ハードを10倍楽しく観る方法

と、何だかまとまらない感じになってきましたが、とにかく『ダイ・ハード』は見れば見る程に面白さが発見できて、何度見たって飽きる事がありませんでした。テレビ版の吹き替えも作品をより魅力的なものにしていると思います。因みに、僕が子供の時に見ていた録画ビデオが村野武範版だったので、野沢那智さんより村野武範さんの方がしっくりきます。

そんなに大好きな『ダイ・ハード』だったのに、僕は大学時代に「一番好きな映画は?」と聞かれれば、「レオン、かな」と言っていました。『レオン』は、失礼を承知で言いますが、使い勝手の良い映画でした。当時『レオン』は〝ちょっと通好みの映画〟みたいな立ち位置でありながら、多くの人が知っていて、何となくオシャレな雰囲気がある、だけれども娯楽性溢れた作品、それが『レオン』でした。それに何となく『ダイ・ハード』とは言い難く、正直に言うと『ダイ・ハード』と言うのが恥ずかしかったのです。

(ただ今も僕は『レオン』も大好きです。風邪薬を飲む時やフリスクを食べる時、暖簾を潜る時は、よくゲイリー・オールドマンの真似をします。)

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こういう玉暖簾を見るとテンション上がって真似します。

つまり僕は『ダイ・ハード』と言う勇気が無く、『レオン』に逃げていたのです。そんな過去があるだけに、僕は「オールタイムベストはダイ・ハードだ」と自信を持って言えませんでした。『ダイ・ハード』に後ろめたさを感じていたのかも知れない。あいつはいつだって僕の傍に居たのに、だけど僕は本当のあいつの事を見ていなかった。目を背けていた。正面から見る勇気が無かった。目を見て「大好きだ」と言える自信が無かった。そんな臆病者な僕なのに、あいつは…今も…僕の目の前にいる…。(本棚に「ダイ・ハード 吹替の帝王コンプリート・ブルーレイBOX」がある的な意味で)

僕のオールタイムベストは何なのか。何度も吟味した。だけど、何度考えても答えは同じでした。『ダイ・ハード』です。これはもう、僕の血肉になっていると言っても過言では無い作品なのです。『ダイ・ハード』と共に育ちました。小学生でアクションの魅力に取りつかれ、中学生でキャラクターの魅力に気づき、大学生で脚本や構成の妙に打ちのめされました。成長と共に『ダイ・ハード』に惹きこまれていきました。今も映画を見るときに「脚本の伏線」や「キャラクター像」を強く評価してしまうのは『ダイ・ハード』の影響なのです。大切なことはみんな『ダイ・ハード』から教わった。僕を形作ったのは、『ダイ・ハード』なのです。

長々と書きましたが、そんな訳で僕の#私の平成ベスト映画は『ダイ・ハードです。(これが言いたがために4000文字近く書きました。)

 

 

【ネタバレ】『映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』がめちゃめちゃ面白いという話をまたします。

世の中では今週公開した新作『映画プリキュアラクルユニバース』の話題で持ちきりですが、僕は今回も2018年10月に公開された『映画 HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』がめちゃめちゃ面白いという話をします。またします。ネタバレ全開なので、未見の方はご注意ください。

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ポスターも素晴らしいです

もう本当、やっぱり面白いです。DVDを購入してから娘と2回、1人で3回見返しましたが、やっぱり面白いです。歴代プリキュアを全然観たことが無い僕でもめちゃめちゃ楽しめるというのは、本当に凄いことだと思います。そんな訳で今回は個人的に良かったところなんかを書き散らしていこうと思います。

本作は出し惜しみがありません。冒頭から初代の3人が登場、その立ち姿の堂々たるや王者の風格で、否が応でも期待が高まるのですが、いきなり3人合体技(エキストリーム・ルミナリオ)が炸裂、かませ犬的な敵を塵へと還します。ここまでわずか2分。この圧倒的なテンポの良さがたまりません。そして突如、悪役のミデン(CV宮野真守)が現れ、初代3人に襲い掛かるのですが、打撃の衝撃で地面が2メートルぐらい抉れる破壊力を描写しつつ初代3人を圧倒します。初代の力を魅せた後、その初代を圧倒する力を発揮する敵。こいつヤバいな感を演出し、ここまで4分。冒頭に必要な要素を全て出し尽くしたパーフェクトな演出です。

その後、ピクニック中のHugプリ勢を、歴代プリキュアの記憶と能力をコピーしたミデンが襲い掛かります。歴代プリキュアの必殺技が主人公勢に襲い掛かる熱い展開です。最高。宮野真守さんが「ウルトラハッピー♪」とか「キラっと閃いた♪」とか「ここで決めなきゃ女がすたる!」などのプリキュアの決め台詞を言うもんだから、監督は分かっているなと思いました。余談ですが劇場鑑賞時、後ろの席の淑女3人組みが「マモちゃんが…マモちゃんが…」とうわ言のように、言葉にならないくらい興奮しておられました。それぐらいの破壊力がある。それが宮野真守プリキュアの台詞を言うということ。人によっては本作最大の魅力だと思います。

その後、ワンオペ育児の大変さの問題提議をしつつ、仲間との思い出が無にされた野乃はなちゃんの心が折れ泣き出してしまいます。それに対してハリーが「なんや! プリキュアとあろうものがへこたれてる場合やちゃうやろ!」とハリーなりの叱咤激励をしますが、それに対してなぎさが「そんな言い方やめて! プリキュアだってただの中学生だよ! 自分でどうすることも出来ない時には、誰だってそうなるに決まってるじゃない!」となだめる一連のシークエンスが、本作がオールスターズ映画でありながらHugプリの作品であり、且つふたりはプリキュアの作品でもある事を思わせてくれます。そんな心が完全に折れているところで再びミデン襲来。その攻撃を生身のなぎさが受けとめ、ボロボロになりながらも「私、ほのかがいないとダメだから! ほのかのことが大好きだから!」と熱い胸の内を叫びます。きまし。それに対してミデンがほのかの記憶を使って「あらなぎさ、私も覚えているわ、先生の結婚式行ったこと、文化祭でロミオとジュリエットをやったこと」とパーフェクトな煽りをしてきます。この宮野真守がゲスい! をランキング形式にしたらTOP5に入るくらいゲスいシーンです。憎らしさで涙が出ると思いました。その場に孫悟空が現れてミデンをボコボコにして欲しいって本気で思いました。それでも挫けないなぎさの一途な想いでほのかが復活、涙を流しながら「なぎさ」と覗き込み感謝を伝えるシーンに涙が止まりません。二人の友情を100%描いた完璧な演出です。まさに至高。そして復活した2人で再び変身、再度ミデンに挑みます。その姿を見て、心が折れかけていた我らがはなちゃんがも再び立ち上がります。そして「これしきのことで、心折れるとか、私のなりたい野乃はなじゃない!」という魂の叫びは声優・引坂理絵さんのベストアクトだと思うくらい、まさに魂の慟哭。120%作品を盛り上げる熱演。激熱。そしてヒーロー着地。そんなはなちゃんの姿に心打たれた仲間たちがやっぱり復活。ここに心を200%通わせた初代2人&Hugプリ勢が揃いました。想いの強さはプリキュアの強さに比例します。こんな最強のプリキュアに敵うわけありません。ここまでの熱い展開でまだ半分未満。驚くべきことに30分しか進んでいません。この濃さ、熱量、何なんだこの作品は。

キレたミデンが世界中の人の思い出を吸収して大きな城? オブジェ? みたいなところに引きこもるのですが、ここからCGアニメに転換します。このCGのクオリティが凄いです。東映のCG技術の集大成と言っても過言ではありません。世界に通用するレベルだと思います。CGとなったプリキュアたちがバラバラになった後にいろいろあって集合します。このバラバラの時に巨大モフルンが出てくるのですが、うちの娘が本作2番目に好きなシーンです。子供も楽しめるアトラクションのようなシーンがしっかり描けているのが本作が傑作たる所以です。あと、ちっちゃくなった歴代プリキュア(ベビキュア)達みんなが遊んでるシーンの可愛さが最高です。ベビキュアが遊んでるシーンだけで短編映画を作って欲しいレベルです。可愛さという概念の具現化としてこれ以上のものは無いと思います。「プリキュアごっこしよう♪」とか言ってるんですよ。ずっと観ていたい…。

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本当、ずっと見ていたい…。

合流したプリキュアたちはミデンの巣のようなところにたどり着きます。そこで古いカメラを発見したところキュアアンジュちゃんが目を輝かせてカメラのオタク知識を披露。それに対してエトワールが「あの子ちょっと詳しめなんで」という一言で片づける完璧な脚本。一部の淀みも無くパーフェクト。そしてミデンの正体を知ったプリキュア達は動揺しつつも他の記憶の解放のためにミデンと三度戦います。ただ1人、キュアエールだけはミデン境遇に同情し、心情を読み解こうと、その動機を理解しようと動けずにいる。カメラはキュアエールを中心に回り、背景でミデンと死闘を繰り広げる仲間たちが描かれます。このシーン。最高にエモーショナル。監督の宮本浩史氏をプリキュア映画界のマイケル・ベイと位置付けたいくらいクール。頬に被弾しても構わず思考を続ける演出が憎いくらいカッコいいです。

キュアエールの衝動的な行動によりキュアブラックキュアホワイトがベビキュア化。更にHugプリ勢もミデンに飲み込まれてしまい、戦えるプリキュアが居なくなってしまいます。初見の時、この展開は驚きました。ベビキュアから復活させるためには、そのプリキュアとの思い出をいっぱいの持った人物が必要ですが、Hugプリ勢はミデンに飲み込まれ、初代2人もベビキュア化、他のプリキュアも全てベビキュア化、残るははぐたんとハリーですが、Hugプリ勢は飲み込まれてしまったので、復活出来るプリキュアがいません。完全なる詰み。どうすんのこれ。また余談ですが、この際にステンドガラスの隙間に挟まって抜け出せなくなったハリーをベビキュア達が引っ張ってくれるシークエンスがあるのですが、うちの娘が本作で1番好きなシーンです。何度も観てケタケタ笑ってます。

この危機を脱する方法をはぐたんが見つけます。いきなり我々の方を見つめて「フレフレ、あるよ~」と第三の壁をぶち破って来た時は「うそっ」とビックリしました。ここで繰り広げられるハリーの大演説が最高です。「みんなはどのプリキュアがすきや!?」「1人じゃなくてええ、今まで好きだったプリキュアを全部呼んだってくれ!」「プリキュアの可愛かったとこ、カッコ良かったとこ、何でもええから沢山思い出したってくれ!」「みんなが大好きやったプリキュアを蘇らせるんや!」。この演出は歴代プリキュアをほとんど知らない僕でもグッときました。プリキュアを応援させる演出で子供心をガッチリ掴みつつ、オールスターズ作品として、15周年作品と、これ以上はあり得ないと思えるほどベストな演出で大人の心もガッチリ掴まされました。娘と一緒にミラクルライトを振りながら応援した思い出、そして劇場がペンライトの光で一体となった光景は最高の思い出です。

ラクルライトの力で歴代プリキュア全員が復活。この激熱な展開。さぁ、ここから全員でミデンをボッコボコにするんだろう! と期待に胸が膨らんでいると、キュアエールは1人、ミデンの中に残ります。「まだ出ていくもんか。私が出て行ったら、またミデンが1人になっちゃう」と心の中にしがみつきます。キュアエールはミデンを倒すのではなく、救おうとしているのです。熱い。超激熱展開。このキャラクターを象徴している行動、そしてHugプリという作品のテーマを反映させたパーフェクトな展開です。そんなキュアエールの行動を観て、歴代プリキュアたちが同調します。「私たちもいこう!」と一丸となってミデンを救おうとするのです。最高。こんな展開を待っていた。オールスター映画として、これ以上ない展開です。

キュアエールの行動に戸惑い、暴れるミデンから小さいミデンが現れ、それを歴代プリキュアがテーマ曲と共に必殺技で三國無双のように薙ぎ払っていきます。この一連のシークエンスで本作のボルテージは最高潮を迎えます。もう、本当、最高以外の言葉が出て来ないくらい、この展開は最高です。やったぜ! 派手な必殺技がドカドカ出て、非常に脳に良い映像です。疲れた時、行き詰った時、ストレスを抱えた時に見ると脳が安らぐと思います。プリキュアの必殺技には癒しの効果が期待できます。

歴代プリキュアの猛攻を受けたミデンの心にヒビが入り、キュアエールがミデンの深層へ入ります。そこは雨がやまない悲しみに満ちた世界。「ずっとこうなんだ」「僕はこれしか知らない」という悲しみに打ちひしがれたミデンに対し、キュアエールは「ミデンは偉いね」「自分で何かを変えようとしたんでしょ」と優しさで包み込みます。キュアエールのキャラクター性とHugプリのテーマ性を兼ね備えた完璧な脚本です。ここの宮野真守さんと引坂理絵さんの演技が素晴らしいの一言に尽きます。僕は泣きました。脚本、演出、BGM、そして声優の演技に泣かされました。映画が総合芸術と言われる所以がこれです。隣の娘に泣いている事を気付かれたくなかったので涙は拭きませんでした。

キュアエールの優しさに包まれながら、ミデンを深層世界から表の世界へ連れて行きます。そこには歴代プリキュアが輪になって待っていました。奇麗な夕日をバックに、この戦いの決着を描きます。最後はカメラに戻ったミデンを使って記念撮影。これ以上ない決着。完璧な終焉。みんな笑顔のハッピーエンド。最高です。ただ、歴代プリキュアが一同を介してピクニックをしているところを見るに、プリキュアたちが同じ世界/同じ時間軸で活躍していたのかと思うと、プリキュアって現実世界に落とし込むとご当地アイドルみたいな存在なのかな? と思いました。

これだけ最高な作品を作り上げた制作陣には感謝しかありません。上映時間73分間にこれだけ詰め込んだのは本当にすごいと思います。本当にありがとう。これからも素敵な作品を作り続けてほしいです。新米プリキュアおじさんとして応援し続けたいと思います。